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2014年1月31日 (金)

『雪月花黙示録』 恩田陸 > 「このミス」完全読破 No.719

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.719

 『雪月花黙示録』 恩田陸

   「このミス」2015年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2014.1.26~ 読終:2014.1.30

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2013年12月>

雪月花黙示録 (角川文庫)雪月花黙示録 (角川文庫)
恩田 陸

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 女子高生の春日蘇芳(すおう)が通うミヤコの最高学府・光舎では、生徒会長選挙を控えて狂騒前夜といった浮かれた雰囲気に。

 当選確実と言われているのは、蘇芳のいとこであり三期目の当選を目指す現会長の春日紫風(しふう)。

 しかし、対抗馬である及川道博はド派手な選挙活動を始め、さらには謎の妨害行為が頻出するなど、立会演説会を前にして不穏な空気に包まれていて.....。

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 といった感じで書いてみますと学園小説のようではありますが、光舎生徒会長というのは、自治権を持つ街であるミヤコの自治大臣と教育省の高官も兼ねる権力者の一人で、光舎という独立した共同体の最高責任者なので、単なる高校の生徒会長とは(権力の面で)全く異なります。

 そのミヤコとは、古くから受け継がれてきた日本の伝統を取り戻そうとする“伝統回帰主義”を掲げる街で、企業の利益と個人の快楽を追及する“帝国主義”と対立し、国土がこの二派で分断されているという、パラレル日本的な世界観なのですね。

 単行本はボックス付きで美術監督がクレジットされているなどカラフルな装丁なのですが、物語の方もモノトーンなミヤコとカラフルな帝国主義との対比もありポップなイメージに溢れていて、アニメや映画の世界が思い浮ぶほどに色彩豊かで幻想的に描かれていきます。

 そして、蘇芳・紫風・萌黄(もえぎ)など登場人物たちの名前や、日本刀・手裏剣などによるバトル、豪華絢爛でド派手な近未来SF要素など、ラノベや少女マンガのような設定や演出がてんこ盛りなので、恩田作品としてはライトな作風ですし異色な部類に入るのでは。

 そういった内容でありながら、簡単には状況を理解しにくいような幻想ファンタジー要素は結構本格的なので、スラスラと読み進めることが出来るわけではないですし、やはり恩田作品らしく唐突の感があるラストに納得出来ない人が続出しそうなので、(恩田作品のファンも含めて)いつも以上に賛否が激しく分かれる作品のように思います。

 ただ、この世界観は一度ハマればとことんハマってしまうほどの中毒性があるように感じるので、あまり物語としての期待を高めすぎずに、まずは装丁も含めたこのカラフルな世界観を楽しむつもりで読んでみてはいかがでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
 ビックリ驚愕度  : ★★       おどろおどろ度 : ★★
 熱アクション度  : ★★★     主キャラ魅力度 : ★★★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★
 下ネタエッチ度 : ★        感涙ウルウル度 : ★★
 衝撃バカミス度 : ★★★★    気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  > No.1121 「ドミノin上海」
  > No.0954 「八月は冷たい城」(後日更新予定)
  > No.0953 「七月に流れる花」

  > No.0814 「EPITAPH東京」
  > No.0719 「雪月花黙示録」
  > No.0635 「夜の底は柔らかな幻」
  > No.0508 「夢違」
  > No.0317 「私の家では何も起こらない」

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  > No.0161 「ブラザー・サン シスター・ムーン」
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  > No.0065 「中庭の出来事」
  > No.0064 「Q&A」


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