『星籠の海』 島田荘司 > 「このミス」完全読破 No.707
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.707
『星籠(せいろ)の海』 島田荘司
「このミス」2014年版 : 9位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 9位
「週刊文春ミステリーベスト10」 11位
「黄金の本格ミステリー」 選出
読始:2013.12.9~ 読終:2013.12.13
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本(上・下) <2013年10月>
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島田荘司の代表的なシリーズである“御手洗潔シリーズ”の(これを書いている2014年1月時点での)最新刊です。
そして、“御手洗潔シリーズ”の長編作品としては2006年の「最後の一球」以来7年ぶりとなります。
「このミス2013年版」の“私の隠し玉(作家が自身の近刊情報を紹介するコーナー)”によると、本作は元々は完全オリジナルの映画脚本として執筆していたものの、かなりの文量になり映像化は無理となったため、こうして小説として完成させたのだそうですね(その時点では漫画化も考えていたようです)。
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瀬戸内海の松山沖に浮かぶ興居島で、損傷の激しい死体が湾に次々と流れ着く事件が発生。
御手洗潔と石岡和己が、現地に赴いてこの事件の調査を始めたところ、瀬戸内海全体に秘められた仕掛け、そしてこの瀬戸内海を舞台とした怪しすぎる陰謀に気付いて.....。
というわけで、御手洗シリーズらしいインパクトのある殺人事件が起き、その謎を探偵が推理していくのですが、その過程において、瀬戸内海の海そのものについての秘密や、(戦国時代や江戸時代における)瀬戸内海に関連した歴史をさかのぼる謎についても探っていくことに。
さらには、御手洗パートとは関係ないような(瀬戸内海を舞台とした)エピソードがいくつか並行して語られるなど、事件推理の本線からは少し(または大きく)外れたような話が積み重なっていく構成なので、それもあって単行本で上下巻の特大ボリュームとなっているのですね。
そのため、事件を推理する本格ミステリ要素以外にも、歴史ミステリやドラマ・サスペンス要素も多く込められていますし、驚天動地の真相やトリックが仕掛けられているわけでもないので、往年の御手洗シリーズ作品のような重厚で驚愕必至の本格推理ミステリのみを期待してしまうと、肩透かしを食らったかのような読後感となるかもしれません。
ただ、これだけの大長編でありながら一気に読まされるほどにのめり込んでしまう求心力が作品全体から放たれていますし、瀬戸内海を舞台に時代を超えて生み出されてきたいくつものドラマが怒涛の如く集約していくスペクタクルな迫力はさすがの一言なので、読み方さえ誤らなければ(本格ミステリとしての期待を高めすぎなければ)本作の魅力を大いに楽しむことが出来るのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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