「週刊文春ミステリーベスト10(2013年)」
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年末恒例の四大ミステリランキングの一つ、「週刊文春ミステリーベスト10」(以下「文春」)の“2013ミステリーベスト10 国内部門”が発表されました。
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この「文春」は、1977年スタートということで他のランキングよりも歴史が長く(次に長いのが「このミス」で1988年~)、そもそも「このミス」が作られたきっかけの一つが「文春」ランキングに対するアンチテーゼ的役割を担うためだったことからもわかるように、ミステリランキングの絶対的な権威として君臨していた時代がありました。
しかし、「このミス」の知名度が上がるにつれて、いつの間にか権威は「このミス」へと継承され、かといって今度は「文春」が「このミス」のアンチテーゼ的存在になるわけでもなく、結構似通ったランキングになることが多いので、近年の「文春」は中途半端な立ち位置となっている印象があります。
とはいえ、「このミス」と対象期間も対象作品も同じでありながらも、売れっ子作家(東野圭吾等)やヒット作、江戸川乱歩賞受賞作(や受賞作家の作品)に票が集まりやすく、「このミス」よりマニア向けの作品が入りにくいという、「このミス」とは異なる特徴が見られます。
なので、一般向けのミステリ系ランキングとしては、「このミス」よりも「文春」の方が参考になりそうな感じですね。
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というわけで、今年の「文春」のランキングを見ていきたいのですが、ランクインしたうちのどのくらいの作品を事前に読んでいたのか、といったところもチェックしてみたいと思います。
> 「2013ミステリーベスト10 国内部門」(週刊文春WEB) 参照
○:事前に読んでいた作品
●:読みたかったけど読めなかった作品
×:特に読むつもりはなかった作品
タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想記事です
01位 : ○ 教 場 / 長岡弘樹
02位 : ○ 祈りの幕が下りる時 / 東野圭吾
03位 : ○ ノックス・マシン / 法月綸太郎
04位 : × 検察側の罪人 / 雫井脩介
05位 : ○ 死神の浮力 / 伊坂幸太郎
06位 : ○ 冷 血 / 髙村薫
07位 : ○ リバーサイド・チルドレン / 梓崎優
08位 : ○ 去年の冬、きみと別れ / 中村文則
09位 : ○ 代官山コールドケース / 佐々木譲
10位 : ○ 夢幻花 / 東野圭吾
11位 : × 星籠の海 / 島田荘司
12位 : ○ ヨハネスブルグの天使たち / 宮内悠介
13位 : ○ アリス殺し / 小林泰三
14位 : ○ ロスト・ケア / 葉真中顕
15位 : × 友 罪 / 薬丸岳
16位 : ○ 戯作・誕生殺人事件 / 辻真先
17位 : ○ 時の審廷 / 芦辺拓
18位 : ○ リカーシブル / 米澤穂信
19位 : ● 海と月の迷路 / 大沢在昌
20位 : ○ 宰領 隠蔽捜査5 / 今野敏
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これを書いている時点では「このミス」発売前なので、「このミス」との比較がまだ出来ない状況なのですが、それでも東野作品が2作共にベスト10入りするなど、「文春」らしいランキングとなっているように感じますね。
そして、この「文春」ランキングが発表されるまでに未読だった作品は4作あったのですが、そのうち2作が江戸川乱歩賞受賞作家で(後日追記:雫井脩介は乱歩賞作家ではありませんでした。勘違いしていました.....)、残りの2作が大御所作家ということで、この辺りに「文春」らしさが出ているのではないでしょうか(この4作のうち「このミス」の方にもランクインする作品があるのかもしれませんが)。
* 後日追記:「検察側の罪人」「星籠の海」が「このミス」ベスト10入りして、「海と月の迷路」もランクインこそ逃したとはいえあと一歩の22位だったので、未読4作の中で「文春」らしさが出ていたのは「友罪」(「このミス」では1票だけの97位)のみでした.....。
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