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2013年10月25日 (金)

『貴族探偵対女探偵』 麻耶雄嵩 > 「このミス」完全読破 No.696

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.696

 『貴族探偵対女探偵』 麻耶雄嵩

   「このミス」2014年版 : 13位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 1位

   読始:2013.10.24~ 読終:2013.10.25

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2013年10月>

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麻耶 雄嵩

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 No.343「貴族探偵」に続くシリーズ2作目です。

 シリーズ前作は、麻耶雄嵩の実に5年ぶりの新作ということで注目を集めたものの、(「このミス」を始めとしたミステリ系ランキングでことごとく上位に入り日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞をダブル受賞した)同年発売のNo.373「隻眼の少女」に話題性では完全に持っていかれてしまいました。

 とはいえ、前作もその「隻眼の少女」との票割れがありながら「このミス」にランクインし(「隻眼」4位、「貴族」20位)、「本ミス」に至ってはベスト10に同時ランクイン(「隻眼」1位、「貴族」6位)していることから、「隻眼の少女」の影に隠れながらも高い評価を受けていたことが窺えますね。

 なお、本作は前作同様にシリーズ短編集となっていますが、前作に関する内容に言及する場面は特になかったように思うので、本作から読んでも問題ないのでは。

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 というわけで本作は、「白きを見れば」「色に出でにけり」「むべ山風を」「幣もとりあへず」「なほあまりある」の5編を収録した連作集です。

 今回メインとなるのは貴族探偵ではなく、名探偵であった師匠を半年前に亡くした新米の女探偵・高徳愛香。

 旅先などで殺人事件に遭遇し、または依頼を受けて事件現場に赴いて、事件の真相を解明するべく推理を行うのですが、何故かことごとく居合わせる貴族探偵と対決することになるのです。

 探偵としてはかなり異色である貴族探偵の(探偵としての)特徴は前作同様なのであえて書きませんが(前作を未読であるならばその特徴を知らずに読んだ方が驚くことが出来ると思うので)、そんな探偵の常識を打ち壊すような資質を持つ貴族探偵の比較対象として、名探偵になるべく切磋琢磨しているまだまだ未熟で真面目な新米探偵を配することで、貴族探偵というキャラクターの異質さや魅力がより生み出されていたように思います。

 ミステリ的には、いかにも麻耶作品的なトリッキーな仕掛けが炸裂する話もあるとはいえ、事件の構図やトリック自体は(麻耶作品にしては)オーソドックスなので、探偵としてのタイプも推理方法もキャラクターも全く異なる二人の探偵の比較を中心に楽しむべき作品なのではないでしょうか。

 そうすれば、最後の場面で思わずニヤリとさせられてしまうのではないですかね。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★★★★★  鬼畜グログロ度 : ★★
 ビックリ驚愕度  : ★★★★    おどろおどろ度 : ★★★
 熱アクション度  : ★★       主キャラ魅力度 : ★★★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★
 下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★
 衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “麻耶雄嵩”関連記事 】

  > No.825 「あぶない叔父さん」
  > No.793 「化石少女」
  > No.765 「さよなら神様」
  > No.696 「貴族探偵対女探偵」
  > No.454 「メルカトルかく語りき」

  > No.373 「隻眼の少女」
  > No.343 「貴族探偵」
  > No.146 「螢」
  > No.113 「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」
  > No.038 「神様ゲーム」


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