『七色の毒(刑事犬養隼人)』 中山七里 > 「このミス」完全読破 No.694
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.694
『七色の毒』 中山七里
* 文庫化の際に『七色の毒 刑事犬養隼人』に改題
「このミス」2014年版 : 139位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2013.10.15~ 読終:2013.10.16
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2013年7月>
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No.665「切り裂きジャックの告白」に続くシリーズ2作目です。
シリーズ1作目からわずか3ヶ月後にこの2作目が発売されたわけですが、前作は長編、本作は短編集という違いがあります。
本作の中で前作の内容に触れる場面は(自分が思い返した限りでは)ほとんどなかったですし、共通して登場する主要人物も主人公の犬養隼人くらいなので、本作から読んでも問題ないでしょう。
ただ、主人公と娘との微妙な距離感の関係性は、前作を読んでいた方が理解できると思います。
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というわけで本作は、「赤い水」「黒いハト」「白い原稿」「青い魚」「緑園の主」「黄色いリボン」「紫の献花」の7編を収録。
警視庁捜査一課の巡査部長である犬養が登場し事件解決に重要な役割を果たすという以外には、各話のタイトルにも入っている“色”が深い印象となる事件が起きるという共通点があります。
さらには、高速バスの死亡事故や、学校でのいじめ自殺事件、某俳優による匿名での新人文学賞受賞騒動など、ここ最近で実在に起きてかなり話題となった事件や騒動をモチーフとした事件が起きるという共通点も(この点に関しては全ての作品がそうであるわけではないかも)。
そして本作の最大のセールスポイントともいえる魅力的な共通点というのが、各作品にどんでん返しの仕掛けが用意されているということです。
短編だからこその引き締まったストーリーが繰り広げられ、その終盤で毎回アッと驚く展開に衝撃を受けることになるので、とても贅沢などんでん返し作品集となっているのですね。
とはいえ、シリーズ前作と同様に、世界観が一変するどんでん返しというよりは、新事実が浮かび上がってくる急展開といったタイプですし、そのパターンも同じようなので(たぶんこういった作品集だと知らずに読み始めたとしても)読んでいくうちに展開が読めてしまうのではないかと思うので、あまりどんでん返しの部分にこだわりすぎないよう読んだ方が良いかもしれません。
個人的には、最後に驚きの展開があることがわかったうえで読んだら物語の進む道がある程度絞れてしまったことと、(前作も含めて)犬養による鋭い観察眼を伴った捜査だけでも充分に楽しむことが出来たので、“どんでん返しの作品集”にこだわらない方が、驚きの展開も(いつどの話で訪れるのかわからないということで)より活きたのではないかな~と感じました。
> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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