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2013年10月18日 (金)

『潜伏者』 折原一 > 「このミス」完全読破 No.691

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.691

 『潜伏者』 折原一

   「このミス」2014年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2013.9.23~ 読終:2013.9.29

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2012年12月>

潜伏者 (文春文庫)潜伏者 (文春文庫)
折原 一

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 ノンフィクション作家の笹尾時彦は、推理小説新人賞の予選委員を渋々引き受けたところ、振り分けられた応募作の中に奇妙な小説を発見。

 それは、8年前に埼玉県久喜市で起きた連続少女失踪事件の容疑者や被害者が実名で登場し、犯罪の様子が生々しく描かれているものの、結末がなくミステリーにもなっていないという作品。

 奇しくも、別件で逮捕されたこの事件の容疑者・堀田守男(失踪事件は証拠不十分で逮捕に至らず)が間もなく出所することもあり、笹尾は同業者の高島百合子と協力して、この事件と謎めいた作者について調べることに.....。

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 というわけで本作は、「誘拐者」、「愛読者-ファンレター」、「セーラ号の謎-漂流者」、「遭難者」、「冤罪者」、「失踪者」、「沈黙者」、「行方不明者」、No.231「逃亡者」No.407「追悼者」に続く”○○者シリーズ”の11作目です。

 折原作品には、実際に起きた有名な事件をモチーフやモデルとした作品が多く、このシリーズは特にその特徴が現れているのですが、本作では1990年に起きた足利事件がモデルとなっています。

 しかし、プロットをあたためていた中で、事件の犯人として逮捕され服役中だった方の無実が確定し釈放されるという大きな動きがあったため、当初のプロットを断念せざるをえなくなったそうで、結局は足利事件と共通しているのは発端部分のみとなったようですね。

 なお、このシリーズは作品の繋がりがあるわけではないので、どの作品から読んでも問題ありませんが、本作には前作に続いてノンフィクション作家コンビがメインとなり、前作についての話題もちょっとだけ出てきます。

 というわけで本作ですが、ノンフィクション作家の笹尾を中心として、事件の被害者家族や容疑者など様々な人物が絡んで来て、さらに作中作が重要な役割を担い、クライマックスではどんでん返しが炸裂するなど、緻密な構成と大胆な仕掛けという折原作品の魅力が見事にハマった作品だったように思います。

 ただ、8年前に起きた連続少女失踪事件の被害者は3人いるのですが、それぞれの事件内容や家族環境など似てて紛らわしいですし、その他の登場人物も多く、事件の構図や人間関係も結構ややこしいので、すっきりした驚きや読み応えは味わうことが出来ませんでした。


> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
 ビックリ驚愕度  : ★★★★    おどろおどろ度 : ★★★
 熱アクション度  : ★★       主キャラ魅力度 : ★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★
 下ネタエッチ度 : ★★★     感涙ウルウル度 : ★★
 衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “折原一”関連記事 】

  > No.691 「潜伏者」
  > No.512 「帝王、死すべし」

  > No.407 「追悼者」
  > No.338 「赤い森」
  > No.325 「倒錯のロンド」
  > No.231 「逃亡者」
  > No.153 「倒錯の死角」


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