『祈りの幕が下りる時』 東野圭吾 > 「このミス」完全読破 No.690
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.690
『祈りの幕が下りる時』 東野圭吾
「このミス」2014年版 : 10位
受賞(候補) : 「吉川英治文学賞」受賞
総合ランキング :
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 2位
「ミステリが読みたい!」 11位
「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
(小説ランキング) 15位
読始:2013.9.26~ 読終:2013.9.28
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2013年9月>
![]() | 祈りの幕が下りる時 (講談社文庫) 東野 圭吾 講談社 2016-09-15 売り上げランキング : 45 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
No.655「夢幻花」に続いて2作目となる東野圭吾の2013年新作ですが、本作は発売日までにどういった小説なのかという作品情報が全く表に出て来ませんでした。
そして発売してからも、帯には一番の宣伝文句になるであろう部分の紹介があえて書かれていなくて、読者は実際に読んでみて初めてその部分について知ることが出来るという、固定ファンが多く存在する超売れっ子作家なればこその販売戦略だったのです(ただ、大体の推測を出来てしまう間接的な情報はあったのですけどね)。
それで実際に読んでみたところ、別に前もってその部分を知っていても問題なく楽しむことが出来るタイプであるものの、知らずに読んだならばちょっとしたサプライズを体感できると思うので、やはりその部分を知らずに読むのが一番最良の楽しみ方なのでしょう。
なので、この記事内でもその部分について触れるべきではないのかもしれませんが、そうするとさすがに何も書けなくなってしまうので、もし本作の内容を知らずに読みたいという人は、この記事のこれより下や他の感想サイト等を目にせずに、まずは本作自体を読んでしまうことをお薦めします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
.
.
.
.
.
というわけで本作は、「卒業」、「眠りの森」、「どちらかが彼女を殺した」、「悪意」、「私が彼を殺した」、「嘘をもうひとつだけ」、No.53「赤い指」、No.236「新参者」、No.437 「麒麟の翼」に続く“加賀恭一郎シリーズ ”の10作目です。
上京女性とホームレスがそれぞれ同時期に近い場所で殺された事件の捜査を行っていく中で、複雑に絡み合っていく事件の構図や人間関係、過去に起きた哀しき出来事の数々が浮かび上がっていき、加賀らしいクールでありながら人情味のある行動や推理によって真相へと向かっていくという、今回もこのシリーズの魅力が存分に込められた作品でした。
そして、(これまで自分が読んだ)このシリーズの作品は、加賀が刑事として関わった物語(事件)をそれぞれ切り取ったようで、どちらかといえば主人公である加賀よりも事件自体の方がメインとなっている感じがしたのですが、本作では加賀の人生にとってかなり重要な(加賀自身も知らなかった)過去の出来事、つまりは加賀自身のドラマが大きく取り上げられているのです。
そのため、加賀の捜査はこれまで以上に熱く力が入っていて執念がひしひしと感じられますし、過去作からつながる加賀を中心とした人間ドラマも(これまでわからなかった)とても大事なピースがはまることでより感動を呼びますし、そんな加賀のドラマが本筋の事件と見事なまでに結びついているので、シリーズ全体としても本作単体としても見事にまとめ上げてしまう手腕はさすがの一言ですね。
そういったシリーズの集大成的な内容でもあるため、シリーズ作品を多く読んでいれば読んでいるほど心に響くものがあると思うのですが、シリーズ前作のネタバレがあったり以前の内容を知らないと理解できない部分があるわけではないので、シリーズ作品未読であっても本作を楽しむことが出来るでしょう。
ただ、日本橋が舞台という繋がりが物語的に重要な役割となっているので、加賀が日本橋署に勤務している「新参者」「麒麟の翼」を前もって読んでいた方が、本作から醸し出されている情緒的な雰囲気をより味わえるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “東野圭吾” 関連記事 】
> No.1079 「希望の糸」
> No.1047 「沈黙のパレード」(後日更新予定)
> No.0873 「人魚の眠る家」
> No.0832 「ラプラスの魔女」
> No.0784 「マスカレード・イブ」
> No.0757 「虚ろな十字架」
> No.0720 「疾風ロンド」
> No.0690 「祈りの幕が下りる時」
> No.0655 「夢幻花」
> No.0598 「禁断の魔術 ガリレオ8」
> No.0580 「虚像の道化師 ガリレオ 7」
> No.0537 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
> No.0526 「歪笑小説」
> No.0479 「マスカレード・ホテル」
> No.0457 「真夏の方程式」
> No.0437 「麒麟の翼」
> No.0418 「鳥人計画」
> No.0377 「白銀ジャック」
> No.0342 「プラチナデータ」
> No.0285 「カッコウの卵は誰のもの」
> No.0266 「魔球」
> No.0236 「新参者」
> No.0184 「パラドックス13」
> No.0130 「聖女の救済」
> No.0085 「流星の絆」
> No.0053 「赤い指」
> No.0045 「容疑者Xの献身」
> No.0022 「超・殺人事件」
> No.0010 「秘密」
> No.0006 「名探偵の掟」
「ブラックライダー」東山彰良 <<< PREV/NEXT >>> 「潜伏者」折原一
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
>>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<
« 【MDB式“2013年天皇杯3回戦・栃木戦”プレビュー】 | トップページ | 【ハイセイコー記念(2013年)>予想&結果】 »
「01.「このミス」完全読破(ミステリ小説)」カテゴリの記事
- 「このミステリーがすごい!2022年版」ランキング(順位)予想(2021.02.03)
- 「このミス2022年版」月別ランクイン候補作品(2021年2月)(2021.01.31)
- 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2021年1月)(2021.01.21)
- 「このミス2022年版」月別ランクイン候補作品(2021年1月)(2021.01.09)
- 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2020年12月)(2020.12.20)