『猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条』 北山猛邦 > 「このミス」完全読破 No.688
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.688
『猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条』 北山猛邦
「このミス」2014年版 : 83位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2013.9.16~ 読終:2013.9.17
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : ノベルス <2013年1月>
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探偵助手学部の君橋(クンクン)と月々(マモル)は、同じ学部の小田切美奈から、彼女のネット友達である後鑑千莉に関することで相談を受ける。
千莉が生まれ育った稲木村という四方を山に囲まれた田舎の村には、『成人までに嫁がぬ女子の在を禁ず』という古くから伝わる因習があり、もうすぐ20歳になる千莉に対して28歳も年上の村長との政略結婚が計画されているため、これをなんとか阻止してほしいというもの。
この相談を意外な方法で解決したものの、2人のゼミ教官である探偵の猫柳十一弦が、これから稲木村で事件が起きるだろうと予測したため、事前に防ぐべく村へと向かうことに.....。
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というわけで本作は、No.530「猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数」に続く“猫柳十一弦シリーズ”の2作目です。
事件自体は別物なので、本作から読んでも問題ないと思いますが、探偵が教授となり探偵助手を目指す学生を指導する“探偵助手学部”というこのシリーズならではの学部が存在しますし、前作に関する話題に触れる場面もあるので、前作から読んだ方が世界観や登場人物たちの状況・立場を掴みやすいのではないでしょうか。
それで本作ですが、閉ざされた山村で見立て殺人が連続して起きるという、探偵ミステリの定番的な舞台で定番的な展開が繰り広げられていきます。
ただ、本作(および本シリーズ)が普通の探偵ミステリと違うのは、探偵が起きてしまった事件の真相を推理するのではなく、これから起きるであろう事件を前もって推理して事件が未遂で終わるよう行動することにあります。
探偵ミステリとして定番の舞台と事件(の兆候)がありながらも、定番とは異なる探偵の行動によってこのシリーズならではの本格ミステリ的読み味が生み出されていますし、これから起きるであろう事件のトリックを推理するという新しい探偵像も興味深かったですね。
そして軽快なキャラクターたちがコミカルなやり取りを演じるユーモアミステリ的な側面もあるので、王道な本格ミステリやガッツリした本格ミステリを期待すると肩透かしとなってしまうかもしれませんが、捻りの利いたミステリ的面白さが堪能できますし、登場人物たちの関係や立場が大きく進展したりもするので、このシリーズならではの(様々な)魅力的な要素が前作以上に湧き出ていたように思います。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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