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2013年9月29日 (日)

『代官山コールドケース』 佐々木譲 > 「このミス」完全読破 No.685

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.685

 『代官山コールドケース』 佐々木譲

   「このミス」2014年版 : 14位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 9位
               「ミステリが読みたい!」 9位

   読始:2013.9.9~ 読終:2013.9.10

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2013年8月>

代官山コールドケース (文春文庫)代官山コールドケース (文春文庫)
佐々木 譲

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 17年前に代官山で起きたカフェ店員殺人事件は、被疑者が逮捕直前に変死体で見つかったことで、被疑者死亡のまま送検されて解決済み。

 しかし、3日前に川崎で起きた殺人事件の被害者宅から17年前の事件と同じDNAが発見されたことで、17年前の事件の真犯人による連続殺人である可能性が浮上。

 そうなると、真犯人を逃しただけでなく二度目の犯行を許したということで警視庁の大失態となってしまうため、川崎の事件を捜査する神奈川県警よりも早く真犯人を捕まえるよう、特命捜査対策室の水戸部裕に極秘捜査の指令が下されて.....。

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 というわけで本作は、No.522「地層捜査」に続く“特命捜査対策室シリーズ”の2作目です。

 取り扱われる事件自体は異なるので本作から読んでも問題なく楽しむことが出来ると思いますが、前作の捜査内容や核心部分に(ちょっとだけ)触れる場面があるので、もし前作を読む予定であるならばまずは前作から読むことをお薦めします。

 前作と本作を読んでみて、このシリーズの特徴というかテーマが明らかになったのですが、その一つ目は、公訴時効撤廃を受けて数十年前の事件の再捜査を行う、ということです。

 一昔前に起きた事件なので、証拠の品は乏しく、事件現場の状況は今とは変わっているため把握しにくく、事件の関係者は所在を見つけ出すだけでも一苦労なので、一歩一歩堅実に進んでいくような地道な捜査が繰り広げられていきます。

 そうした捜査を行っていく中で、前作では荒木町、本作では代官山と、事件の舞台となる街の(過去から現在へと移り変わってゆく)歴史や風俗や生活環境などが次第に姿を現してきまして、それがこのシリーズのテーマの二つ目なのですね。

 そして、“警視庁vs神奈川県警”というのは(警察小説の定番である)激しい対立関係ドラマを描く絶好の題材であるのに、その部分にはほとんど触れないで終わってしまうことからもわかるように、熱い捜査サスペンスや迫力ある警察組織ドラマなどエンタメ警察小説的な要素は極力排し、派手な展開や盛り上がりを抑えた聞き込み中心の地道な事件捜査を描いていくところが、三つ目のテーマでしょうか。

 そのため、佐々木譲の他作品のようなエンタメ警察小説的な魅力を期待してしまうと、それなりにページ数がありますし、読んでいるうちに地味な展開が続いていくことに痺れを切らせてしまうかもしれません。

 とはいえ、事件や街の歴史を念入りに掘り下げていくことで徐々に真相が浮かび上がってくるところこそが本作&本シリーズの読みどころですし、それにより他の警察小説とはまた違った地味ながらも味わい深い捜査小説としての魅力があるので、そんなこのシリーズならではの面白さを堪能してほしいですね。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
 ビックリ驚愕度  : ★★       おどろおどろ度 : ★★
 熱アクション度  : ★★★     主キャラ魅力度 : ★★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★★
 下ネタエッチ度 : ★★★     感涙ウルウル度 : ★★★
 衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “佐々木譲” 関連記事 】

  > No.840 「砂の街路図」

  > No.685 「代官山コールドケース」
  > No.615 「人質」
  > No.563 「回廊封鎖」
  > No.522 「地層捜査」
  > No.505 「密売人」

  > No.485 「警官の条件」
  > No.424 「婢伝五稜郭」
  > No.423 「五稜郭残党伝」
  > No.401 「エトロフ発緊急電」
  > No.344 「ベルリン飛行指令」

  > No.298 「北帰行」
  > No.282 「巡査の休日」
  > No.230 「廃墟に乞う」
  > No.200 「警官の血」
  > No.175 「暴雪圏」

  > No.152 「警官の紋章」
  > No.151 「警察庁から来た男」
  > No.138 「うたう警官 (笑う警官)」
  > No.048 「制服捜査」
  > No.024 「ストックホルムの密使」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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