『サヴァイヴ』 近藤史恵 > 「このミス」完全読破 No.648
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.648
『サヴァイヴ』 近藤史恵
「このミス」2012年版 : 105位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2013.4.25~ 読終:2013.4.26
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2011年6月>
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No.79「サクリファイス」、No.327「エデン」に続き、「キズアマ」へと続く(2013年8月現在)、“サクリファイスシリーズ”の3作目です。
そして、現在のところシリーズ唯一の短編集でもあります。
前2作の核心部分のネタバレはないので、短編ということで手が出やすい本作からいきなり読むのもよいかと思いますが、ただ収録作ごとに作中の時間や舞台が異なるので前2作を読んでいないと混乱しそうですし、主要人物とその関係性を理解するのに苦労するかもしれないので、1作目から順番に読むことをお薦めします。
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というわけで本作は、「老ビプネンの腹の中」「スピードの果て」「プロトンの中の孤独」「レミング」「ゴールよりももっと遠く」「トウラーダ」の6編を収録。
主な登場人物は前2作と変わらず、前2作より前や後に起きたエピソードの物語なので、前2作で描かれなかった部分を補完したサイドストーリー的な内容です。
短編ということもあり、サイクルロードレースそのものよりもその合間で繰り広げられるドラマが中心となっていますが、短い話の中にも、登場人物たちの自転車競技に掛ける熱い想いやその過酷さが伝わってきますし、それらが情熱的にぶつかり合う人間ドラマも読み応えがありました。
そして、前2作の主人公である白石誓だけでなく、話によって他の(1作目でメインとして登場した)人物たちも語り手となる話もあるのですが、それにより(前2作で心情が描かれていた)誓以外のキャラたちの心情や意外な一面などが明らかにされていくのです。
そのため、本作を経ることで前2作の物語に厚みと深みが増すことは間違いないので(そして必ず1作目を再読したくなると思うので)、短編集なので前2作とはまた違った読み味ではあるけれど、このシリーズが好きな人であれば敬遠することなく読んでほしいですね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “近藤史恵”関連記事 】
> No.648 「サヴァイヴ」
> No.514 「ホテル・ピーベリー」
> No.362 「薔薇を拒む」
> No.327 「エデン」
> No.079 「サクリファイス」
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