『TOKYO BLACKOUT』 福田和代 > 「このミス」完全読破 No.629
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.629
『TOKYO BLACKOUT』 福田和代
「このミス」2009年版 : 17位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2013.2.13~ 読終:2013.2.14
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <2011年8月>
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東北地方を襲った震災の影響により原子力発電所の稼働が停止している状況で、真夏の暑い8月に、関東一円へと電気を送る鉄塔が各地で倒壊する事件が発生。
首都圏での大規模な停電の危機が迫る中、電力会社を始め各関係者の懸命の努力により、最悪の事態を回避する可能性が高まることに。
しかし、事態回避の要である新システムをいざ動かそうとしたところ、その新システムには罠が仕掛けられていて作動せず、状況は益々悪化していって.....。
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福田和代は、ここ数年は年に3~5作というハイペースで作品を発表していますが、本作はデビュー2作目にして、現時点(「このミス」2013年版まで)で唯一となる「このミス」ランクイン作品です。
真夏に起きたテロ事件により、東京近辺が電力不足による大停電の危機に陥るのですが、主に電力会社社員の目線によって徐々に自体が悪化して最悪の状況へと近づいていく様が描かれていくので、パニックサスペンスとしての迫力やタイムリミットサスペンスとしての緊張感はかなりのものがあります。
そこに、事件を追う刑事やテロを起こした犯罪者のパートが組み入れられることで、刑事サスペンスやクライムサスペンスとしての要素も読み応えありますし、大停電を経験することになる一般市民も含めて各人物のエピソードにも力が入っているため、“女性作家が描いたサスペンス”という印象を遥かに越えるほどに骨太で圧倒的なサスペンス劇を味わうことができると思います。
それにやはり、2011年3月に起きた東日本大震災との関連も注目所でして、本作の単行本は大震災の3年前に発売されたのですが、東北地方での震災やその影響による原発の停止、そして電力不足対策として実施される輸番停電(計画停電)など、2011年の震災とその後の状況を予言するかのような内容が多いのですね。
それもあって、震災後に関東で生活をしていて、電力不足の危機感を身を持って味わった経験を持つ人ほど、本作を読んでいて人ごとではないリアル感がヒシヒシと伝わってくるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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