『昨日まで不思議の校舎』 似鳥鶏 > 「このミス」完全読破 No.668
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.668
『昨日まで不思議の校舎』 似鳥鶏
「このミス」2014年版 : 83位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「大学読書人大賞」 5位
読始:2013.7.12~ 読終:2013.7.19
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 文庫本 <2013年4月>
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No.646「理由あって冬に出る」、No.647「さよならの次にくる〈卒業式編〉〈新学期編〉」、No.660 「まもなく電車が出現します」、No.662「いわゆる天使の文化祭」に続く、“にわか高校生探偵団の事件簿シリーズ”の5作目です。
このシリーズの最初の3作はいずれも「このミス」でほとんど票が入らなかったものの(2作目に1票入ったのみ)、4作目となる前作はランクインまであと少しの37位となるほどに票を集めたので、「このミス」的には遅咲きのシリーズといえるのかもしれません。
なので本作ではさらに上の順位を期待されるところなのですが、本作は過去のシリーズ作品の内容と大きく関わってくるので、前4作とアンソロジー作品『放課後探偵団』収録の短編「お届け先には不思議を添えて」を先に読んでおくことをお薦めします。
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今回は、超自然現象研究会の会誌で“市立七不思議”が特集されたところから始まるのですが、七不思議のうち4つの怪談は過去作での事件・騒動と関わっているので、葉山君はその真相を把握済み。
しかし、残りの3つの怪談に関係した奇妙な悪戯が次々と起きたことから、葉山君や柳瀬さんやミノなど今や自然と行動を共にすることになる探偵団(いつもいい所で登場してくる伊神さんも含む)が調査&推理をおこなっていくことに。
大掛かりな仕掛けが施されていた前作に比べると、本作では王道ともいうべき学園ミステリが繰り広げられていきまして、インパクトある謎やコミカルなやり取りなど相変わらずの面白さだったものの、この七不思議騒動の謎に迫っていく部分では、やはり高くなり過ぎていた期待のせいもあってか、少々物足りなさを感じたりもしました。
ところが、全てが解決したかに思えた直後、その裏に隠されてきたさらに大きな真実に向かって突き進んでいくのですが、ほのぼの学園怪談(都市伝説)ミステリだったのが、読んでいて緊張感がヒシヒシと伝わってくるようなホラーサスペンス的展開に一気に変わっていって、そこに過去作のエピソードが絡んできたりもするので、この終盤における迫力には圧倒されてしまいましたね。
葉山君の探偵としての成長物語も含めて、過去作のエピソードがいくつも関係してくるところなど、ここまでのシリーズの集大成といった趣きがありますし(とはいえシリーズが完結するわけではありません)、単なる学園青春ミステリでは終わらせない仕掛けも相変わらずの素晴らしさなので、本作を読めばまた一段とこのシリーズの虜になってしまうのは間違いないのでは。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.0662 「いわゆる天使の文化祭」
> No.0660 「まもなく電車が出現します」
> No.0647 「さよならの次にくる〈卒業式編〉〈新学期編〉」
> No.0646 「理由あって冬に出る」
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