『いわゆる天使の文化祭』 似鳥鶏 > 「このミス」完全読破 No.662
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.662
『いわゆる天使の文化祭』 似鳥鶏
「このミス」2013年版 : 37位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2013.7.1~ 読終:2013.7.2
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <2011年12月>
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No.646「理由あって冬に出る」、No.647「さよならの次にくる〈卒業式編〉〈新学期編〉」、No.660 「まもなく電車が出現します」に続き、No.668「昨日まで不思議の校舎」へと続く(2013年8月現在)、“にわか高校生探偵団の事件簿シリーズ”の4作目です。
学園青春ミステリながら(創元推理文庫から発売されていることもあって)しっかりとした本格ミステリ要素のあるシリーズですし、次々に続刊が発売されていることからも人気のシリーズであることがうかがえるのですが、前3作はいずれも「このミス」でほとんど票が入りませんでした(2作目に1票入ったのみ)。
なので、「このミス」とは相性の悪いシリーズだと思っていたのですが、4作目である本作はランクインまであと少しの37位となるほどに票を集めたので、「このミス」的には遅咲きのシリーズといえるのかもしれませんね。
なお、事件や騒動自体は作品ごとに異なるので何作目から読んでもそれほど問題はありませんが(5作目を除く)、メイン&サブの登場人物が多めですし、前の作品の話題に触れることも多いので、出来るだけ(アンソロジー『放課後探偵団』収録作も含めて)刊行順に読んでいくことをお薦めします。
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今回は文化祭を目前に控えた時期の話で、目つきの悪い天使ペンギンのイラストが描かれた紙が、各部室に張り付けられる騒動が発生。
単なる悪戯だと思われたものの嫌な予感がした葉山君が調べていくと、化学実験室での盗難騒ぎや文化祭ホームページ改ざんなど、悪戯では済まないような事件が次々に起きていくのです。
というわけで今回も葉山君が素人探偵となってこの学園内で起きる事件&騒動の謎に迫っていくのですが、葉山君を中心としたメインキャラたちのやり取りは微笑ましくて楽しいですし、文化祭準備中の校内の雰囲気によりいつもとはまた少し違った学園青春ドラマが繰り広げられていきます。
そしてミステリ的にも、インパクトある謎の提示やその謎を追う探偵的行動、そしてトリックや真相など、相変わらず学園ミステリとしては読み応え抜群の内容なのですね。
ただ今回はそれだけに終わらず、最後に至ると実は作品全体に仕掛けが施されていたことがわかるのですが、その大掛かりで大胆な仕掛けには多くの人が鮮やかに騙されてしまうと思うので、シリーズ4作目にして「このミス」で票を集めたのも納得できるほどの見事さでした。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.0668 「昨日まで不思議の校舎」
> No.0662 「いわゆる天使の文化祭」
> No.0660 「まもなく電車が出現します」
> No.0647 「さよならの次にくる〈卒業式編〉〈新学期編〉」
> No.0646 「理由あって冬に出る」
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