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2013年8月30日 (金)

『霧越邸殺人事件』 綾辻行人 > 「このミス」完全読破 No.630

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.630

 『霧越邸殺人事件』 綾辻行人

   「このミス」1991年版 : 7位

   受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)
            (「吉川英治文学新人賞」候補)

   総合ランキング : 「本格ミステリ・ベスト100」 8位
              「二十世紀傑作ミステリーベスト10」 29位
              「本格ミステリ・オールタイムベストアンケート」 49位
              「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 82位

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 1位

   読始:2013.2.15~ 読終:2013.2.19

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本(新潮文庫) <1995年1月>

霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)
綾辻 行人

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 綾辻行人といえば、多くの人気作を長年に渡り発表しているものの、やはりデビュー作No.284「十角館の殺人」を始めとした“館シリーズ”が今でも代名詞的な作品でありシリーズで変わりないでしょう。

 そしてその“館シリーズ”は“○○館の殺人”という統一されたタイトルとなっているので、ちょっと似ているけれどそのパターンから外れている本作は“館シリーズ”には含まれていません。

 とはいえ、奇妙な館で連続殺人事件が起こるという舞台・展開や、冒頭に“館シリーズ”の象徴的存在である“中村青司”の名前が書かれていることから、“館シリーズ”に含まれていたり、“館シリーズ”の外伝として位置付けられていたりもするので、“館シリーズ”を読破したいという方は本作も忘れずに読むことをお薦めします。

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 劇団「暗色天幕」の劇団員8人が信州の山奥で猛吹雪の中遭難し、偶然にも辿り着いたのが、巨大な洋館“霧越邸”。

 雪が降り続き邸内から出ることが出来ず、同じように軒を借りていた地元の医師や気味の悪い邸の住人たちと共に邸内で過ごしていると、2度目の朝を迎えた時に劇団員の一人の死体が見つかったことから、この邸を舞台とした事件が始まっていくのです。

 まさに“雪山の山荘(邸)”で連続殺人事件が起き、しかもそれは見立て殺人で、事件が起きるごとに容疑者が減っていって、最後にはどんでん返し.....、という“館もの本格ミステリ”の定番中の定番である内容なのですが、やはり“館ミステリ”の第一人者だけあって、定番でありながらも読者を飽きさせることのない巧みさでもって“館ミステリ”ならでは面白さをグイグイと引き出していましたね。

 それに加えて本作の場合、作品全体が幻想性とホラー性により生まれた妖しく不気味な雰囲気で包まれていて、本格ミステリとして以外の魅力をも漂わせているので、“館シリーズ”と同様の面白さを味わえながら、“館シリーズ”にはない幻想ホラーとしての面白さも味わえるという、綾辻ミステリの魅力が存分に詰め込まれた作品といえるのではないでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★★★★★  鬼畜グログロ度 : ★★
 ビックリ驚愕度  : ★★★★    おどろおどろ度 : ★★★★
 熱アクション度  : ★★       主キャラ魅力度 : ★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★
 下ネタエッチ度 : ★        感涙ウルウル度 : ★★
 衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 ”綾辻行人” 関連記事 】

  > No.680 「Another エピソードS」
  > No.630 「霧越邸殺人事件」
  > No.517 「奇面館の殺人」
  > No.284 「迷路館の殺人(十角館の殺人)」
  > No.252 「Another」


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