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2013年7月19日 (金)

『切り裂きジャックの告白(刑事犬養隼人)』 中山七里 > 「このミス」完全読破 No.665

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.665

 『切り裂きジャックの告白』 中山七里

   * 文庫化の際に『切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人』に改題

   「このミス」2014年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2013.7.9~ 読終:2013.7.10

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2013年4月>

切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人 (角川文庫)切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人 (角川文庫)
中山 七里

KADOKAWA/角川書店 2014-12-25
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 警察署の目の前にある公園で、臓器を全て抜き取られた女性の死体が見つかるという、猟奇的事件が発生。

 “ジャック”と名乗る犯人がテレビ局に犯行声明文を送り、世間を騒がせている中、またもや臓器を奪われた死体が今度は埼玉で発見される。

 警視庁捜査一課の犬養は、埼玉県警の古手川とコンビを組んで、この“ジャック”による連続殺人事件の捜査に乗り出すが.....。

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 というわけで本作ですが、ノンシリーズの新作であるものの、「連続殺人鬼カエル男」の刑事が再登場したりもするので、先に「~カエル男」を読んでいるとまた違った面白さを楽しめるかもしれません(読んでいなくても問題ありませんが)。

 タイトルにある“切り裂きジャック”とは、1888年にイギリスで実際に起きた連続猟奇殺人事件の犯人のことで、事件当時から話題性や衝撃性はかなり大きいものだったにもかかわらず、結局犯人が判明しなかったり真相が闇に包まれたままだったりと、かなり謎めいていることから、世界で一番有名な殺人事件と言われています。

 それ故に、様々な創作メディア、特にミステリ小説でこの“切り裂きジャック”をモチーフやテーマとして使った作品が数多く発表されているのですが、本作でも本家“切り裂きジャック”を模したような“ジャック”と名乗る猟奇的連続殺人犯による犯行が、事件の捜査をおこなう刑事を中心にして描かれていきます。

 ただ本作の場合、“切り裂きジャック”をモチーフとした犯人の動機やテーマ性というのがとても現代的で、現代社会の問題点の一つをえぐり取って読者に晒しているかのようなので、そんな(現代的な)社会派サスペンスと“切り裂きジャック”とが融合され、新たな(現代的な)“切り裂きジャック”像が見事に生み出されていたように思います。

 あと、単行本の帯などで“どんでん返し”という言葉を使っての賛辞が目立ちますが、過去の中山作品と比べてもそこまでどんでん返しと言えるほどのどんでん返しがあるわけではないですし、その猟奇的すぎる犯行と最後に明かされる動機とが釣り合わないように感じる人も多くいそうなので、クライマックスにおける驚き・サプライズにあまり期待を込めすぎない方がいいかもしれません。

 それよりも、やはり社会派サスペンスとしての読み応えがありますし、そこにミステリ系エンタメ要素が絶妙に絡み合うことでグイグイと惹き込まれていくほどの魅力が作られているので、(クライマックスにのみ注意を向けるのではなく)物語全体を楽しんでほしいですね。

 ちなみに、本作の主人公である犬養刑事がメインとなる連作集No.694「七色の毒」が、本作から3ヶ月後の7月に早くも発売される予定です(後日追記:発売されました)。


> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★★★★    鬼畜グログロ度 : ★★★
 ビックリ驚愕度  : ★★★      おどろおどろ度 : ★★★
 熱アクション度  : ★★       主キャラ魅力度 : ★★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★★
 下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
 衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “中山七里”関連記事 】

  > No.717 「追憶の夜想曲」

  > No.694 「七色の毒」
  > No.665 「切り裂きジャックの告白」
  > No.577 「静おばあちゃんにおまかせ」
  > No.516 「贖罪の奏鳴曲」
  > No.464 「魔女は甦る」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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