『さよならの次にくる〈卒業式編〉〈新学期編〉』 似鳥鶏 > 「このミス」完全読破 No.647
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.647
『さよならの次にくる〈卒業式編〉〈新学期編〉』 似鳥鶏
「このミス」2010年版 : 104位 (〈新学期編〉に対する投票)
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2013.4.23~ 読終:2013.4.25
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 < 卒業式編:2009年6月、新学期編:8月>
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No.646「理由あって冬に出る」に続き、No.660「まもなく電車が出現します」、No.662「いわゆる天使の文化祭」、No.668「昨日まで不思議の校舎」へと続く(2013年7月現在)、“にわか高校生探偵団の事件簿シリーズ”の2作目です。
今回は2巻組で、それぞれ〈卒業式編〉〈新学期編〉という副題が付いています。
ただこのタイトルだと、〈新学期編〉→〈卒業式編〉という順番にも思えてしまうのですが、〈卒業式編〉は主人公である葉山君が1年生の終わり頃の出来事(が中心)、〈新学期編〉は2年生になったばかりの頃の出来事なので、〈卒業式編〉→〈新学期編〉という順番に読まないといけないのですね。
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まずは〈卒業式編〉ですが、「あの日の蜘蛛男」「中村コンプレックス」「猫に与えるべからず」「卒業したらもういない」という、時系列が揃っていない4つの短編、そしてその間に「断章」が挟まれている、連作集のような形式となっています。
続く〈新学期編〉では、前作で探偵役を務めた伊神さんの卒業後の新学期に、主人公である葉山君が偶然知り合った1年女子のストーカー被害を解決しようと奮闘する話が、こちらは時系列順に内容も繋がって語られていきます。
収録されている内容(特に〈卒業式編〉)はほとんどバラバラといってもいいくらいなのですが、(葉山君の)ウブな恋愛話が繰り広げられたり、伊神さんに関する謎について積極的に動いたり、悩みを抱える下級生女子を助けようと奮闘したりなど、ワトソン役である葉山君の恋に謎解きにと(控えめながらも)一生懸命な姿を楽しむことが出来るはず。
そんな学園青春ドラマ的な魅力は、葉山君を始めとした主要人物たちのキャラや役割が出来上って来ていることもあり、やり取りのコミカルさや関係性など前作以上の面白さがあったように思います。
そして物語が進んでいきクライマックスへと辿り着くと、〈卒業式編〉も含めて数多くの伏線が張られていたことが明らかになり、構造的仕掛けが施されていた本格ミステリであったことが判明するのです。
その仕掛けの大胆さは心地良いサプライズを生み出していますし、真相によりほろ苦い青春物語も絶妙に演出しているので、青春ミステリとしても青春物語としても前作より何段階もレベルが上がっていたように感じましたね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.1030 「名探偵誕生」
> No.1007 「彼女の色に届くまで」
> No.0668 「昨日まで不思議の校舎」
> No.0662 「いわゆる天使の文化祭」
> No.0660 「まもなく電車が出現します」
> No.0647 「さよならの次にくる〈卒業式編〉〈新学期編〉」
> No.0646 「理由あって冬に出る」
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