『螺旋の底』 深木章子 > 「このミス」完全読破 No.656
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.656
『螺旋の底』 深木章子
「このミス」2014年版 : 116位
受賞(候補) : (「本格ミステリ大賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 15位
「黄金の本格ミステリー」 選出
読始:2013.6.6~ 読終:2013.6.7
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2013年3月>
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フランスの田舎町にある元領主の屋敷に、若い女が嫁いでくることに。
実は彼女が嫁いできたのにはある隠された目的があって、それはこの館内の中央にそびえる螺旋階段の底に封じられている、謎多き地下室に関係することらしい。
一方で夫の方も、彼女を妻としてこの屋敷に迎え入れたのには、やはり隠された目的があって.....。
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というわけで、フランスのとある屋敷を舞台とした作品ですが、この屋敷で新たに生活を共にすることになる妻と夫の目線による話が並行して語られていきます。
この結婚にはお互い相手に知られていない目的があって、それは犯罪が関わってくるようなものなので、話が進むにつれて不穏な空気と掴み所のない謎を膨らませながらサスペンス的な展開が進んでいくのです。
そして物語はクライマックスへとたどり着き、事件の真相やトリックが明らかにされて一件落着、かと思いきや、そこから驚きの事実が姿を現してくるのですね。
まあ、作者の前2作と同様に、本格ミステリ的には優等生的な感じがして、意外性や衝撃の要素はそれほど高くないので、こういったタイプの作品を多く読んでいる人ならば、素直に驚かされたとしても想定の範囲内に収まってしまうかもしれません。
それに、作品全体としてみても、面白いとはいえ良作の域を出るまではいかず、傑作となるまであと一歩なのだけれど、傑作が生み出すための重要な何かが抜けてしまっているような、なんとももったいない感じが前2作と同じくあったように思いました。
とはいえ、作品全体に仕掛けられた鮮やかな伏線とトリックの数々はさすがの素晴らしさですし、一読時と再読時ではまた違った本格ミステリ的構築美を堪能出来ると思うので、そんな本格ミステリの仕掛けや構造を楽しんでみたい人に特にお薦めです。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.1066 「猫には推理がよく似合う」(後日更新予定)
> No.0735 「殺意の構図 探偵の依頼人」
> No.0656 「螺旋の底」
> No.0548 「衣更月家の一族」
> No.0474 「鬼畜の家」
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