『夢幻花』 東野圭吾 > 「このミス」完全読破 No.655
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.655
『夢幻花(むげんばな)』 東野圭吾
「このミス」2014年版 : 69位
受賞(候補) : 「柴田錬三郎賞」受賞
総合ランキング :
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 10位
「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
(小説ランキング) 15位
読始:2013.6.3~ 読終:2013.6.6
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2013年5月>
夢幻花 (PHP文芸文庫) 東野 圭吾 PHP研究所 2016-04-07 売り上げランキング : 50 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大学生の秋山梨乃は、独り暮らしをしていた祖父・周治が何者かに殺されているのを発見。
犯人の手掛りが見つからず警察の捜査が難航する中、梨乃は生前の祖父がある“黄色い花”に強い関心を寄せていたことを思い出し、その“黄色い花”が事件直後から見当たらないことに気付く。
この“黄色い花”の情報をブログに掲載したところ、そのブログを見た謎の人物が現れ、すぐに“黄色い花”の情報を消すように忠告。
事件と“黄色い花”の真相を知りたい梨乃は、忠告者の弟である大学院生の蒲生蒼太と出会い、共に事件と“黄色い花”の謎に迫っていくことに.....。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
というわけで、東野圭吾のノンシリーズの新作です。
梨乃と蒼太、そしてこの事件の捜査を担当する刑事・早瀬の3人の目線で語られていくのですが、3人それぞれの物語が印象深いエピソードと共に語られ、それらが話が進むにつれて絡み合っていきます。
そして、殺人事件に関する謎に加えて、“この世に存在しない”と言い伝えられている“黄色いアサガオ”についての謎にも迫っていくので、ドラマ性とミステリ要素のどちらもが存分に盛り込まれているのですね。
それもあって、主要人物たちの目的意識にもズレがありますし、個々が独立しているかのような謎が散りばめられていて、複数の物語が複雑に交錯している印象もあるため、そんな全体の構成を考えてしまうと、状況や人間関係や中心となる謎などについて、散漫な読み応えとなったり、複雑すぎて理解しにくく感じてしまうのではと思ってしまいます。
しかし、そんな複雑に絡み合う物語が、とても読みやすくて状況や展開など容易に理解できるようシンプルにまとめられていますし、数々の伏線やエピソードが見事に集約されて、鮮やかに一つの物語を形作っているのです。
なので、派手さのある作品ではないですし、ドラマ性やミステリ的にもそれほど強烈な読み応えがあるわけではないですが、じんわりと浮かび上がってくるテーマ性が心に染みて来ますし、わかっていながらも“さすが東野圭吾だ”と感心させられてしまう技を存分に堪能できるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “東野圭吾” 関連記事 】
> No.1079 「希望の糸」
> No.1047 「沈黙のパレード」(後日更新予定)
> No.0873 「人魚の眠る家」
> No.0832 「ラプラスの魔女」
> No.0784 「マスカレード・イブ」
> No.0757 「虚ろな十字架」
> No.0720 「疾風ロンド」
> No.0690 「祈りの幕が下りる時」
> No.0655 「夢幻花」
> No.0598 「禁断の魔術 ガリレオ8」
> No.0580 「虚像の道化師 ガリレオ 7」
> No.0537 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
> No.0526 「歪笑小説」
> No.0479 「マスカレード・ホテル」
> No.0457 「真夏の方程式」
> No.0437 「麒麟の翼」
> No.0418 「鳥人計画」
> No.0377 「白銀ジャック」
> No.0342 「プラチナデータ」
> No.0285 「カッコウの卵は誰のもの」
> No.0266 「魔球」
> No.0236 「新参者」
> No.0184 「パラドックス13」
> No.0130 「聖女の救済」
> No.0085 「流星の絆」
> No.0053 「赤い指」
> No.0045 「容疑者Xの献身」
> No.0022 「超・殺人事件」
> No.0010 「秘密」
> No.0006 「名探偵の掟」
「大空のドロテ」瀬名秀明 <<< PREV/NEXT >>> 「螺旋の底」深木章子
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
>>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<
« 【宝塚記念(2013年)>予想&結果】 | トップページ | 【MDB式“2013年ナビスコ準々決勝第1戦・鹿島戦”データボックス】 »
「01.「このミス」完全読破(ミステリ小説)」カテゴリの記事
- 「このミステリーがすごい!2022年版」ランキング(順位)予想(2021.02.03)
- 「このミス2022年版」月別ランクイン候補作品(2021年2月)(2021.01.31)
- 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2021年1月)(2021.01.21)
- 「このミス2022年版」月別ランクイン候補作品(2021年1月)(2021.01.09)
- 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2020年12月)(2020.12.20)