『暗くて静かでロックな娘(チャンネー)』 平山夢明 > 「このミス」完全読破 No.651
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.651
『暗くて静かでロックな娘(チャンネー)』 平山夢明
「このミス」2014年版 : 116位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2013.5.8~ 読終:2013.5.8
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年12月>
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「このミス」にもランクインしたNo.513「或るろくでなしの死」以来1年ぶりとなる平山夢明の新作小説ですが、その「或るろくでなしの死」と同様に今回も短編集となっています。
ただ、「或るろくでなしの死」は収録作のタイトルに統一性があったり作品テーマが共通していたのに対し、本作は統一性のないノンシリーズの短編集です。
とはいえ、収録作の舞台となっている町が共通している、といった裏設定的な繋がりがあるという情報もあるようですけどね。
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というわけで本作は、「日本人じゃねえから」「サブとタミエ」「兄弟船」「悪口漫才」「ドブロク焼場」「反吐が出るよなお前だけれど……」「人形の家」「チョ松と散歩」「おばけの子」「暗くて静かでロックな娘」の10編を収録。
平山作品の特徴でもある、残酷で鬼畜でエグくて毒々しくて不条理で酷すぎる作品世界は相変わらずですが、スプラッタホラー的なグロテスクさよりも、精神面における狂気からくるグロテスクさが描かれていく感じなので、同じ短編集でもNo.47「独白するユニバーサル横メルカトル」よりも「或るろくでなしの死」に近いタイプといえるでしょうか。
まあとにかく狂気的な人物と狂気的な設定と狂気的なストーリーとが混ぜ返された作品揃いでして、一作を読むだけで精神をかなり消耗してしまうほどのグロテスクパワーがうごめいている作品集なのです。
とはいえ、その中にもコメディ的な面白さがあったり、ちょっとだけ感動的にさせられる作品があるなど、作品ごとの幅がとても広くて、作家としての力量が以前と比べて格段にアップしていることが(素人ながら)感じられるほどでした。
ただその一方で、あまりに酷すぎる内容ながら何の救いもなく終わってしまって“この話だけは読まなければよかった.....”と多くの人が後悔するだろう話などもあるので、もちろん万人向けする内容ではありませんが、これまでの平山作品ファンであれば期待を裏切られることはないのでは。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.047 「独白するユニバーサル横メルカトル」
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