『ツリー』 高橋克彦 > 「このミス」完全読破 No.650
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.650
『ツリー』 高橋克彦
「このミス」2014年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2013.4.11~ 読終:2013.5.5
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本(上下巻) <2013年2月>
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ある小説新人賞に送られてきた作品が、受賞には至らない完成度だったものの、読む人によっては不思議な魅力を感じる異色作であったことから、編集部は作者である風森大樹と連絡を取ることに。
しかし調べても行方が知れないため、編集部からの依頼により書評家である主人公が風森の捜索を開始。
本籍地とされていた青森で調査をしていると、風森は子供の頃から不思議な能力を持ち合わせていたことなどが分かってきたものの、そうこうしているうちに調査を手伝ってくれていた若者が死亡してから事態は一変してきて.....。
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というわけで高橋克彦の新作ですが、上下巻の大作に仕上がっています。
上に書いたあらすじのように、ミステリサスペンス的な出だしで始まっていくのですが、風森の秘密が徐々に明らかになり、さらに事件が起き始めると、冒頭からは予想できないようなとんでもない展開が次から次へと巻き起こっていくのです。
どれだけとんでもない展開なのかというと、これは実際に読んでもらうのが一番なので具体的には書きませんが、まあSFやサスペンスやバトルアクションやファンタジーなど様々なジャンルをごった煮にしたような、トンデモ伝奇的な物語が繰り広げられていくのですね。
ストーリー展開や設定に現実感はなく、荒唐無稽で何でもありな内容なので、かなり好みが分かれてしまいそうではありますが、この先が読めなくスケールがデカすぎる物語展開には、ハマってしまう人ならとことんハマってしまうのではないでしょうか。
ちなみに、自分は高橋克彦作品は「このミス」にランクインした2作品(No.411「竜の柩」とNo.430「パンドラ・ケース よみがえる殺人」、共に1989年にランクイン)しか読んでいないのですが、本作はそのうちの「竜の柩」に非常に近いタイプの作品でして、「竜の柩」から蘊蓄を抜いてコミカルさを増してスケール感をちょっと抑えた、といった感じですかね。
なので本作後に、もっとこういったタイプの作品を読んでみたいと思ったり、もうちょっとスケール感もトンデモ度も高い作品を味わいたいと思ったりした場合は、「竜の柩」をお薦めします(「竜の柩」は文庫版ではシリーズを通して同一タイトルとなっているので、単行本版「竜の柩」は文庫版では1・2巻のみに相当します:詳しくはNo.411「竜の柩」参照)。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.650 「ツリー」
> No.430 「パンドラ・ケース よみがえる殺人」
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