『落英』 黒川博行 > 「このミス」完全読破 No.645
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.645
『落英』 黒川博行
「このミス」2014年版 : 38位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2013.4.18~ 読終:2013.4.20
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2013年3月>
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大阪府警・薬物対策課の桐尾と上坂は、覚醒剤密売のネタを掴んだため内偵捜査を実行することに。
真夏の暑い中で遠張りや尾行などをおこない、徐々に密売組織の全貌を明らかにしていき、ついに一斉にガサ入れを開始。
証拠物件を押さえ被疑者も逮捕し、捜査は大成功に終わったと思われたものの、被疑者宅で想定外のブツを発見したことから、事態は予期せぬ方向に動き出して.....。
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というわけで、黒川博行の警察小説でして、タイトルが漢字二文字の作品が多いので紛らわしいですが、本作はシリーズ作品というわけではありません(今後シリーズ化される可能性はあるのかもしれませんが)。
名コンビが活躍するのは人気の“疫病神シリーズ”や“悪果シリーズ”と共通していますが、今回は刑事コンビということで、“悪果シリーズ”の方に近いですね。
ただ、根っからの悪徳刑事コンビだった“悪果シリーズ”に対して、本作の場合は悪徳刑事というほど悪人ではないですし、一人は女に縁のないの映画オタクというキャラクターだったりもするので、関係性など似ているけど異なる点もありました。
そんな魅力的な刑事コンビによる活躍は、前半では覚醒剤密売捜査によって描かれていくのですが、その現場から予期せぬものが発見され、それにより和歌山県警と連携しての特命捜査をおこなうことになり、そこで行動を共にすることになる和歌山県警察の刑事がとんでもない不良刑事だったことから、後半は警察小説でありながらクライムノベル的な趣きにもなっていきます。
やはりそういったクライムノベルの要素が加わってくると迫力満点でして、危険な仕事に挑んでいくシリアスな展開と、3人組の絶妙でコミカルなやり取りが絡み合うことにより、黒川作品らしいギトギトと脂ぎるほどの濃い魅力が満ち溢れていました。
なので、黒川作品好きの人ならば満足できる作品に違いないのですが、刑事コンビによる関西弁での息の合ったやり取りや、結構地道におこなっていく捜査(調査)、そしてそこにクライムノベル的要素が加わっていくなど、本作の4ヶ月前に発売されたNo.620「繚乱」(“悪果シリーズ”の2作目)とあまりに共通する部分が多かったので、どうせならもう少し期間を開けて発売されていれば(読んでいれば)もっと面白く感じたのではないかな~とも思ってしまいました。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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