『廻旋する夏空 クロニクル・アラウンド・ザ・クロックII』 津原泰水 > 「このミス」完全読破 No.642
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.642
『廻旋する夏空 クロニクル・アラウンド・ザ・クロックⅡ(2)』 津原泰水
* 後にシリーズ3作を1冊にまとめて
『クロニクル・アラウンド・ザ・クロック』として単行本化
「このミス」2014年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2013.4.9~ 読終:2013.4.9
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 文庫本 <2013年1月>
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No.640「爛漫たる爛漫」に続き、No.736「読み解かれるD」へと続く、“クロニクル・アラウンド・ザ・クロック シリーズ(三部作)”の2作目です。
このシリーズは、いきなり文庫での発売なのですが、この記事を書いている時点(2013年5月)で出ている1・2作目はどちらも本編が200ページにも満たない分量ですし、発売間隔も2ヶ月ほどということで、シリーズ全体を1冊にまとめてしまってもいいのでは.....、と思ってしまいます。
ただ実際に読んでみれば、そして作者による作品解説が書かれているあとがきを読めば、分冊で発売される意味が理解できるし、次の巻が出るのを待つワクワク感も楽しむことができますからね(それでもやっぱりまとめて読みたいな~という気持ちもありますが)。
そしてこのシリーズは、巻ごとに中心となる話(出来事)が異なるというタイプではなく、ストーリーがシリーズを通して繋がっているので、まずは1作目の「爛漫たる爛漫」から読むことを強くお薦めします。
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というわけで本作、というか本シリーズは、人気ロックバンド"爛漫"のボーカルであるニッチこと新渡戸利夫が変死した事件の謎を、不登校少女・向田くれないが、ニッチの兄で陰から"爛漫"を支えてきた鋭夫と共に探っていく青春ロックミステリです。
まあ、この事件の謎(犯人探し)は前作で解決したのですが、ところが本作で新たな事実が判明したことで、事件を巡る様相は一変してしまいますし、さらに新たな事件も発生するなど、主人公・向田くれないはまだまだ素人探偵として謎を探っていくのです。
そして、ボーカル亡きロックバンド“爛漫”の方にも大きな動きが出始めまして、高校生の素人バンドを指導したり、“爛漫”復活に向けて動き出したりしながら、クライマックスでは熱く盛り上がる演奏シーンでが待ち受けていたりも。
もちろん今回も200ページに満たない分量なので、ミステリ的にも物語的にもガッツリとした読み応えや衝撃的な展開はないですし、特に前作のあとがきに書かれていた“前作をひっくり返していく大掛かりな物語”という部分に期待を高めてしまうと、(少なくとも今巻では)物足りなさを感じてしまうかもしれません。
とはいえ、文庫オリジナルのライトな青春音楽ミステリとして見れば、いずれの要素も充分すぎるほどの演出や面白さが込められていますし、3作目を読むのが本当に待ち遠しくなってしまう終わり方なので、三部作の2作目としての魅力に満ち溢れた作品だったように思います。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “津原泰水”関連記事 】
> No.736 「読み解かれるD クロニクル・アラウンド・ザ・クロックIII」
> No.642 「廻旋する夏空 クロニクル・アラウンド・ザ・クロックII」
> No.640 「爛漫たる爛漫 クロニクル・アラウンド・ザ・クロック」
> No.602 「11 eleven」
> No.574 「猫ノ眼時計」
> No.568 「ピカルディの薔薇」
> No.565 「蘆屋家の崩壊」
> No.376 「瑠璃玉の耳輪」
> No.180 「たまさか人形堂物語」
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