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2013年4月22日 (月)

『幸 SACHI』 香納諒一 > 「このミス」完全読破 No.639

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.639

 『幸 SACHI』 香納諒一

   「このミス」2014年版 : 40位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2013.3.28~ 読終:2013.4.2

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2013年1月>

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香納 諒一

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 海坂署の刑事である寺沢恒彦は、相棒が怪我で入院中のため、現在は単独で行動中。

 怪我した相棒が戻ってくるまではこのまま相棒なしでいようと思っていたのも束の間、認知症の老婆の保護に向かった先で、上司から妊婦の刑事・一ノ瀬明子とコンビを組むように指示を受けることに。

 新たな相棒の存在、しかもそれが妊婦だということに戸惑いを覚える中、老婆を保護した現場の近くから白骨死体が発見されて.....。

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 というわけで、香納諒一の十八番である警察小説です。

 ハードボイルド的な雰囲気を漂わせている刑事が主人公というところにも香納作品らしさが出ているのですが、そんな主人公の新たな相棒となるのが妊婦刑事なので、そこで本作ならではの魅力が作られていました。

 とはいえ、妊婦刑事という設定を中心に刑事ドラマが進められていくわけでもなくて、認知症の老婆を保護したことをきっかけにして明らかになっていく過去の事件が、現在の事件や複雑な人間関係などと絡み合い、それを懸命にかき分けて真相を暴き出していくという展開が繰り広げられるので、捜査サスペンスとしての読み応えはさすがの一言です。

 そんな捜査を通して、主人公と相棒との絆が徐々に深まっていき、それが主人公の再生の物語にも繋がっていきますし、相棒が出産間近の妊婦であることや事件の真相などから“親子”というテーマが強く浮かび上がってくるなど、感動や悲哀に強く胸を打たれるような要素もじっくりと描かれていくのですね。

 そのため、ただの捜査サスペンスに終わらないドラマ性が絶妙に生み出されていて、帯に書かれている“警察小説文学”という言葉にも納得してしまうような読み心地だったので、これまでの警察小説とはまた一味違った魅力を存分に堪能できました。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
 ビックリ驚愕度  : ★★       おどろおどろ度 : ★★
 熱アクション度  : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★★★
 下ネタエッチ度 : ★        感涙ウルウル度 : ★★★
 衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “香納諒一” 関連記事 】

  > No.1027 「完全犯罪の死角 刑事花房京子」
  > No.0819 「刑事群像」
  > No.0750 「無縁旅人」
  > No.0639 「幸 SACHI」

  > No.0504 「心に雹の降りしきる」
  > No.0371 「熱愛」
  > No.0309 「虚国(蒼ざめた眠り)」
  > No.0108 「ステップ」
  > No.0059 「贄の夜会」


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