『爛漫たる爛漫 クロニクル・アラウンド・ザ・クロック』 津原泰水 > 「このミス」完全読破 No.640
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.640
『爛漫たる爛漫 クロニクル・アラウンド・ザ・クロック』 津原泰水
* 後にシリーズ3作を1冊にまとめて
『クロニクル・アラウンド・ザ・クロック』として単行本化
「このミス」2014年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2013.4.5~ 読終:2013.4.5
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 文庫本 <2012年11月>
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No.642「廻旋する夏空」、 No.736「読み解かれるD」へと続く、“クロニクル・アラウンド・ザ・クロック シリーズ(三部作)”の1作目です。
このシリーズは、いきなり文庫での発売なのですが、この記事を書いている時点(2013年4月)で出ている1・2作目はどちらも本編が200ページにも満たない分量ですし、発売間隔も2ヶ月ほどということで、シリーズ全体を1冊にまとめてしまってもいいのでは.....、と思ってしまいます。
ただ実際に読んでみれば、そして作者による作品解説が書かれているあとがきを読めば、分冊で発売される意味が理解できるし、次の巻が出るのを待つワクワク感も楽しむことができますからね。
なお、文庫オリジナル作品は"津原やすみ"名義で少女小説を書いていた時代以来ということもあってか、その当時の人気シリーズであった"あたしのエイリアン シリーズ"のキャラクターが登場するというサプライズもあったりします。
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というわけで本作ですが、人気ロックバンド"爛漫"のボーカルであるニッチこと新渡戸利夫が変死し、その謎を不登校少女・向田くれないが、ニッチの兄で陰から"爛漫"を支えてきた鋭夫と共に探っていきます。
青春小説的な装いをしているわりには、全編に渡ってミステリ的な展開が繰り広げられまして、"爛漫"のメンバーや、音楽ライターである母・向田むらさき、くれないが自分の父と信じるギタリス・ト岩倉理などの個性的な面々に支えられながら、謎を解き明かして真犯人にまで辿り着いていくのです。
そして、登場人物のほとんどが音楽関係者で、くれない自身も絶対音感の持ち主ですし、ニッチの急死により事実上の消滅となった"爛漫"の物語でもあるので、作中では音楽、特にロックの描写が熱を入れてふんだんに盛り込まれていますし、くれない自身の青春物語も描かれていくので、青春音楽小説としての読み味もなかなかのものでした。
もちろん、200ページ未満という分量からして、ミステリとしても青春音楽小説としても、ガッツリした読み応えや波乱万丈な演出などなく、あっさりと読み終えてしまうものの、このシリーズの魅力は充分に伝わってきましたし、本作を踏まえて2作目でどのように物語が展開していくのか期待が自然と高まりましたね。
> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “津原泰水”関連記事 】
> No.736 「読み解かれるD クロニクル・アラウンド・ザ・クロックIII」
> No.642 「廻旋する夏空 クロニクル・アラウンド・ザ・クロックII」
> No.640 「爛漫たる爛漫 クロニクル・アラウンド・ザ・クロック」
> No.602 「11 eleven」
> No.574 「猫ノ眼時計」
> No.568 「ピカルディの薔薇」
> No.565 「蘆屋家の崩壊」
> No.376 「瑠璃玉の耳輪」
> No.180 「たまさか人形堂物語」
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