『フライ・バイ・ワイヤ』 石持浅海 > 「このミス」完全読破 No.634
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.634
『フライ・バイ・ワイヤ』 石持浅海
「このミス」2014年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2013.3.7~ 読終:2013.3.7
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年11月>
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宮野隆也は、さいたま工科大学附属高校の選抜クラスに通う高校生。
そんな宮野のクラスに転入生としてやって来たのが、二足歩行で言葉を話すロボット。
これは、ロボットの研究で名を知られているさいたま工科大学と、緻密で間違いのないモノ造りで有名な稲毛重工業が共同で開発したロボット“IMMID-28”で、病気のため通学できない一ノ瀬教授の娘・一ノ瀬梨香が遠隔操作して学校での日常を過ごすことで、ロボットの実験も行うというもの。
優秀な生徒が集まった選抜クラスにとって大事な時期にやって来たこの奇妙な転入生に対し、クラスメイトたちは戸惑いながらも受け入れるが.....。
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この記事を書いている時点(2013年3月)で“「このミス」2014年版”対象の石持作品はすでに3作も発売されていますが、その1作目として発売されたのが本作です。
内容としては近未来の高校を舞台とした学園SFということで、石持作品としては珍しい題材でして、クラス委員である宮野とロボット高校生・一ノ瀬を中心として描かれていく学園ドラマは、エリート高校生の会話劇が繰り広げられるところなどのらしさはあるものの、読みながら石持作品だということを忘れてしまうほどの新たな味わいがありました。
ただやはり、このクラスを舞台として殺人事件が起き、その謎について生徒たちが推理していくことで、石持作品らしいミステリ的展開になっていくのですけどね。
相変わらず共感を得難い動機なので、そこを踏まえたうえで読まないと動機が明らかにされた時点で興ざめしてしまう人も多そうですが、事件の発端にも影響にも動機にもロボットが見事に絡んでいて、このシチュエーションだからこそのミステリ的構図が生み出されているのはさすがの職人芸ですし、それが楽しくて苦味もある学園青春物語で包まれているので、今までとはちょっと違うけどやっぱり石持作品らしい面白さを楽しむことが出来るのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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