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2013年2月21日 (木)

『今出川ルヴォワール』 円居挽 > 「このミス」完全読破 No.623

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.623

 『今出川ルヴォワール』 円居挽

   「このミス」2014年版 : 139位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2013.1.28~ 読終:2013.1.31

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本(講談社BOX) <2012年11月>

今出川ルヴォワール (講談社文庫)今出川ルヴォワール (講談社文庫)
円居 挽

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 No.288「丸太町ルヴォワール」No.495「烏丸ルヴォワール」に続く、“ルヴォワールシリーズ”の三作目です。

 ラノベ系の講談社BOXという「このミス」や「本ミス」とは縁のないようなレーベルから発売されているシリーズですが、一作目は「このミス」で11位・「本ミス」で8位にランクイン、二作目はランクインこそ逃したものの「このミス」で29位・「本ミス」で22位と票を集めていて、レーベルの枠を超えた評価を得ています。

 そしてこのシリーズは、一応中心となる事件や騒動は作品ごとに異なるので、本作から読んでも楽しむことが出来なくはないとは思うのですが、このシリーズの世界にのみ存在する用語や数多くいるメインの登場人物たちの関係性など、前二作を読んでいないと理解するのが難しい要素が多々あります。

 それに、このシリーズの特徴&魅力の一つに“どんでん返しの連発”があるのですが、本作を先に読んでしまうとそのネタバレにもなってしまうので、一作目から順に読んでいくことをお薦めします。

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 京都の今出川にある大怨寺で殺人事件が起き、その容疑者とされたのは、龍樹家の龍師・御堂達也。

 そこでこの事件の真犯人は本当に達也なのかを巡って私的裁判“双龍会”が開かれるわけですが、前二作ではクライマックスの一番盛り上がる場面で登場した“双龍会”が、本作では序盤ですでに開催されます。

 その代わりに今回は、“権々会”という新たなイベントがメインとなるのですね。

 この“権々会”というのは、オリジナルなカードとオリジナルなルールを用いて行われる盤上カードゲームの大会でして、参加者はもちろん観覧者も勝負の行方に大金を賭けるので、麻雀的賭場のカードゲーム版といったところでしょうか。

 ただカードゲームといっても、巧みな言葉と鋭敏な頭脳でその場を支配してしまう龍師が三人も参加していますし、開催者である大怨寺が送り込む精鋭たちも癖の強い実力者揃いなので、その戦いは読み合いと仕掛け合いと騙し合いとが複雑に絡み合った至極の心理戦となります。

 しかも、それぞれの仕掛けが魅力的な謎となり、その真相は大胆でかつ鮮やかなので、まさに本格ミステリ的ともいえる心理戦の応酬が繰り広げられていくのです。

 まあ、今回は私的裁判“双龍会”ではなくこの“権々会”が中心となりますし、前二作と比べればどんでん返しも控えめなので、そういった部分を期待してしまうともしかしたらあまり満足できないかもしれません。

 ただ、“双龍会”とはまた違った心理戦を味わうことが出来ますし、シリーズを通しての流れに急展開が訪れたりもするので、すでに四作目「河原町ルヴォワール」の発売が予定されていることもあり、前二作を楽しんだ方ならば読み逃してはならない作品といえるでしょう。


> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★★★★    鬼畜グログロ度 : ★★
 ビックリ驚愕度  : ★★★      おどろおどろ度 : ★★
 熱アクション度  : ★★       主キャラ魅力度 : ★★★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★
 下ネタエッチ度 : ★        感涙ウルウル度 : ★★
 衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “円居挽”関連記事 】

  > No.762 「河原町ルヴォワール」
  > No.623 「今出川ルヴォワール」
  > No.495 「烏丸ルヴォワール」
  > No.288 「丸太町ルヴォワール」


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