『四神金赤館銀青館不可能殺人』 倉阪鬼一郎 > 「このミス」完全読破 No.616
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.616
『四神金赤館銀青館不可能殺人』 倉阪鬼一郎
「このミス」2008年版 : 110位
受賞(候補) : (「世界バカミス☆アワード」最終候補/6位)
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 11位
読始:2013.1.4~ 読終:2013.1.7
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : ノベルス <2007年7月>
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倉阪鬼一郎といえば、今ではすっかり“バカミス作家”としての地位を確立した感があります。
それはやはり、毎年秋の恒例となっている、講談社ノベルスから発売される“バカミスシリーズ”の影響によるものなのですね。
そんな“バカミスシリーズ”の記念すべき第一弾だったのが本作です。
“バカミスシリーズ”といっても、ストーリーや事件はそれぞれ別物なので、どの作品から読んでも問題ありません。
とはいえ、常に前作までの仕掛けを踏まえたうえでの捻りが加えられていることもあり、シリーズ1作目である本作からか、または“第三回世界バカミス☆アワード”を受賞するなどバカミス作家としての地位を高めるきっかけになったNo.391 「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」から順に読んでいくことをお薦めします。
なお、本作のタイトルをYahooやGoogleで検索すると、上位にネタバレが表示されるため(2013年1月現在)、検索する場合はご注意を。
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というわけで本作は、金赤館・銀青館という湾を挟んだ対岸にそびえる二つの館を舞台にしています。
この二つの館の間には古くからドロドロの因縁関係が続いていまして、その一方の銀青館にミステリー作家が招待されたところ、奇怪な殺人事件が起きるのです。
後に発表されるバカミス作品が、物語の半分も行く前に解決編に入ってしまうなど、構成やストーリー展開など明らかにバカミスだと主張するほどの外見となっていたのと比べると、本作は驚くほどに真っ当とも言える本格ミステリ的物語が進んでいくことに。
それがクライマックスまで続き、そこでようやくバカミス的な真相や仕掛けの数々が明かされてホッとしたのですが、ただ自分はその後のバカミス作品をすでに読んでいることで免疫が出来てしまっていたというだけで、改めて振り返ってみれば、クライマックスまでの過程も充分にバカミス的な内容なのですけどね。
そしてやはり、本作の後にバカミス的改良が存分に加えられたの作品で衝撃を受けているため、本作のトリックに対してはそこまで強烈な刺激や感動を受けることはありませんでした。
それでも、真相には素直に驚かされてしまい、いくつもの小ネタにはニヤリとさせられましたし、後に続くバカミス作品群の原点に触れているんだ、という感慨深さがあったので、読んでいる間も読後も幸せな心持ちになりましたし、今年(2013年)の後半に発売される予定のバカミス最新作「八王子七色面妖館密室連続殺人」を読むのがより楽しみになりましたねェ。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★
衝撃バカミス度 : ★★★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.502 「五色沼黄緑館藍紫館多重殺人」
> No.394 「新世界崩壊」
> No.391 「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」
> No.192 「遠い旋律、草原の光」
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