『人質』 佐々木譲 > 「このミス」完全読破 No.615
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.615
『人質』 佐々木譲
「このミス」2014年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.12.31~ 読終:2013.1.2
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年12月>
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No.138「うたう警官 (笑う警官)」、No.151「警察庁から来た男」、No.152「警官の紋章」、No.282「巡査の休日」、No.505「密売人」に続く、“道警シリーズ”の6作目です。
1~2年に1作という結構なハイペース刊行されている人気シリーズですが、作品ごとに扱われる事件は違っているので、どの作品から読んでも楽しむことが出来ると思います。
ただ、“佐々木譲の警察小説シリーズ”としてはメインの登場人物たちのキャラクター性を重視したタイプなので、シリーズを通した人間関係の動きやキャラクターの積み重ねが重要となっていますし、それまでの作品で起きた事件やエピソードに言及することも多少あります。
それに、2~6作目を先に読んでしまうと、ネタバレというわけでもないものの、1作目を読むうえでの面白さの一部分が欠けてしまうかもしれないので、このシリーズはまず1作目から読むことをお薦めします。
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小島百合巡査部長が、知人と約束していたピアノのミニ・コンサート会場であるワインバーに着いて間もなく、その店で人質立てこもり事件が発生。
犯人は冤罪により4年間服役していた男で、冤罪が起きた当時の県警本部長に対し、この店に客として居る元本部長の娘を通して謝罪を要求してきて.....。
このシリーズは、チーム佐伯の面々がそれぞれ別々の事件を捜査していくと、次第に一本の線に繋がっていく、といった基本パターンがあるのですが、本作の場合は人質立てこもり事件の内側(小島)と外側(その他)という分かれ方なので、いつもとは少々変わったパターンとなっています。
そしてこの事件の犯人は、武装して人質を脅すのではなく、あくまで自分たちの要求に対する協力者になってほしいという柔らかな態度だったりするなど、普通の立てこもり事件とは違う特殊な状況が作られていて、それによりその後の展開や犯人たちの真の狙いなどに興味を掻き立てられますし、この事件の内と外とで繰り広げられるチーム佐伯の活躍もさすがの面白さがありました。
とはいえ、意外性のある展開や捜査ミステリ&サスペンス的な読み応えは、他の佐々木譲の警察小説作品(このシリーズの他作品も含む)と比べれば控えめなので、シリーズ未読の人に強く薦めたくなるようなタイプではなかったものの、このシリーズの愛読者ならば安心して楽しむことが出来るのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “佐々木譲” 関連記事 】
> No.685 「代官山コールドケース」
> No.615 「人質」
> No.563 「回廊封鎖」
> No.522 「地層捜査」
> No.505 「密売人」
> No.485 「警官の条件」
> No.424 「婢伝五稜郭」
> No.423 「五稜郭残党伝」
> No.401 「エトロフ発緊急電」
> No.344 「ベルリン飛行指令」
> No.298 「北帰行」
> No.282 「巡査の休日」
> No.230 「廃墟に乞う」
> No.200 「警官の血」
> No.175 「暴雪圏」
> No.152 「警官の紋章」
> No.151 「警察庁から来た男」
> No.138 「うたう警官 (笑う警官)」
> No.048 「制服捜査」
> No.024 「ストックホルムの密使」
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