『盤上の夜』 宮内悠介 > 「このミス」完全読破 No.611
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.611
『盤上の夜』 宮内悠介
「このミス」2013年版 : 10位
受賞(候補) : 「日本SF大賞」受賞
「創元SF短編賞(山田正紀賞)」
受賞作 『盤上の夜』 収録
(「直木三十五賞」候補)
総合ランキング : 「短編SF・オールタイムベスト(国内編)」
8位作品 『盤上の夜』 収録
17位作品 『人間の王』 収録
26位作品 『清められた卓』 収録
「2014オールタイム・ベストSF(国内短編部門)」
25位作品 『盤上の夜』 収録
「SUGOI JAPAN Award 2016」 ノミネート
年度ランキング : 「ベストSF2012」 2位
読始:2012.12.11~ 読終:2012.12.12
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2012年3月>
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宮内悠介は、短編「盤上の夜」で第1回創元SF短編賞山田正紀賞を受賞し、受賞作を表題作とした本作にて作家デビュー。
すると、デビュー作ながら直木賞候補に選ばれ(受賞はならず)、「このミス」でベスト10入りするなど、SFという枠を超えた評価を受けることとなったのですね。
そしてSF作品としても日本SF大賞を見事に受賞しているので、新人のデビュー作としては類稀なる実績を備えた規格外れの作品といえるでしょう。
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というわけで本作は、「盤上の夜」「人間の王」「清められた卓」「象を飛ばした王子」「千年の虚空」「原爆の局」という6つの短編を収録した連作集です。
収録作は囲碁・チェッカー・麻雀・チャトランガ(古代チェス)・将棋といった盤上(卓上)遊戯がテーマとなっていて、それぞれの遊戯の第一人者である人物たちを、語り手が取材していく形で綴られていきます。
取り上げられる第一人者たちというのが、狂気も感じられるほどに神憑った才能を持ち、自らの魂と人生そのものをぶつけるかのような執念でその遊戯に相対しているような、その道のプロ中のプロたちなのです。
なので、盤上遊戯を題材としていながらも、その盤上からは一人の人間の剥き出しで燃え狂うような人生が溢れだしているので、その読み応えはまさしく圧巻で圧倒的なのですね。
そして、SF作品とはいえ近未来や宇宙空間が舞台というわけではなく、現実的な世界設定でありながら、読んでいくうちに不思議と“宇宙”が感じられてきますし、そんな無限に広がる世界観が自分に向って迫って来るかのような得体の知れない衝撃がありました。
それぞれの遊戯のルールを知らないと話を理解しにくいかもしれなく、そうでなくてもこの世界観に対して難解に感じる人も多くいるのではないかと思うので、誰もが楽しむことの出来るというタイプではなさそうですが、ただゲームとかルールとかの細かな部分を超越した物語世界にこそ魅力が込められているので、扱われる盤上遊戯に詳しい人も馴染みのない人も、この新人離れした作品を味わってほしいですね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.948 「月と太陽の盤 碁盤師・吉井利仙の事件簿」
> No.894 「彼女がエスパーだったころ」
> No.876 「アメリカ最後の実験」
> No.841 「エクソダス症候群」
> No.664 「ヨハネスブルグの天使たち」
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