「このミステリーがすごい!2013年版」が発売され、ランキングも発表されたということで、昨年同様に「このミス2013年版」ランキング(順位)予想の一人反省会を行って、来年以降の予想に役立てようと思います。
前回更新した、全体的な予想の反省を行う<反省会・総論編>に続きまして、今回は、作品ごとに反省を行う<反省会・各論編>です。
その反省の仕方ですが、まずは正規のランキング順に各作品ごとに反省し、続いて予想を外した作品について反省していきましょう。
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64(ロクヨン) / 横山秀夫 <感想記事はこちら>
( 予想 > 1位 結果 > 1位 )
3年連続で1位を的中することができました。
まあ、今年は前評判通りに二強決着だったので、二択を当てただけなのですが、それでも世間的には「ソロモンの偽証」を本命視する声の方が多かったと思うので、この選択に正解出来たのは本当に嬉しいですね。
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ソロモンの偽証 / 宮部みゆき <感想記事はこちら>
( 予想 > 2位 結果 > 2位 )
今年は2位も的中することが出来ました。
順位の上では前評判通りの二強決着となったわけですが、得点数では83点、票数では9票も「64」に差を付けられていたので、意外にも完敗での2位という結果でしたね(しかも文春でも敗れ2位なので、まさかの無冠に終わる可能性も.....)。
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機龍警察 暗黒市場 / 月村了衛 <感想記事はこちら>
( 予想 > 5位 結果 > 3位 )
昨年発売の前作No.492「機龍警察 自爆条項」が9位だったことから、知名度も上がった本作ではそれ以上の結果が出るとは思っていましたが、まさか3位となるほどに票が入るとは驚きでした。
そして「このミス」の“私の隠し玉”によると、すでに4作目はおろか5作目・6作目・さらにその先まで構想を巡らせているそうなので、大沢在昌の“新宿鮫シリーズ”のようなランキングの常連シリーズとなっていきそうですねェ。
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幽女の如き怨むもの / 三津田信三 <感想記事はこちら>
( 予想 > 17位 結果 > 4位 )
長編作品が3作連続でベスト10入りしているシリーズの最新長編ですが、今回は本格ミステリ的な仕掛けがいつもとは違うというこのシリーズの中では異色作だったので、いつもより票が落ちるのではないかと予想していました。
しかし蓋を開けてみたらNo.55「首無の如き祟るもの」を抜いてシリーズ&作者の最高順位を更新となりましたし、「本ミス(本格ミステリ・ベスト10)」で4位、「早ミス(ミステリが読みたい!)」では1位と軒並み評価が高かったので、この作品を面白く思っていた自分にとっては嬉しい誤算でしたね。
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地の底のヤマ / 西村健 <感想記事はこちら>
( 予想 > 7位 結果 > 5位 )
すでに『この警察小説がすごい! ALL THE BEST』(「このミス」と同じ宝島社のムック本)で「このミス」歴代ランクイン作品に混じって20位以内に入っていたので、高順位は保障されているだろうと思っていたものの、「このミス」実績のない作者だし超特大ボリュームの作品だったので、票があまり入らないかもという不安もありました。
ところが予想よりも上の順位だったので、この評価はやはり嬉しかったですね。
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楽園のカンヴァス / 原田マハ <感想記事はこちら>
( 予想 > 27位 結果 > 6位 )
この作品は、“上位に入る”か“ランクインをギリギリで逃す”かのどちらかになるだろうと思っていたので、この結果にも驚きはありませんでした。
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カラマーゾフの妹 / 高野史緒 <感想記事はこちら>
( 予想 > 31位以下 結果 > 7位 )
結果的に30位までの予想に入れなかったものの、どちらかといえば予想の時にその存在を忘れていたというか、あまり気に留めていなかったのです。
なので、「早ミス」で3位に入った時点で“しまった!なぜこの作品を予想で外したんだ!”と思っていたら、案の定「このミス」でも上位に入ってきましたね.....。
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キングを探せ / 法月綸太郎 <感想記事はこちら>
( 予想 > 3位 結果 > 8位 )
「本ミス」では見事に1位となりましたが、「このミス」ではベスト10には入ったものの思ったほどは票が集まりませんでした。
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奇面館の殺人 / 綾辻行人 <感想記事はこちら>
( 予想 > 6位 結果 > 9位 )
1位争いに加わるわけでもなく、ベスト10を逃すわけでもない位置付けを予想していたのですが、まさにその通りの結果でした。
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盤上の夜 / 宮内悠介
( 予想 > -位 結果 > 10位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」の方に書きました。
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屍者の帝国 / 伊藤計劃・円城塔 <感想記事はこちら>
( 予想 > 8位 結果 > 11位 )
SF作家によるSF寄りの作品だったり、伊藤計劃の遺作の冒頭部分を円城塔が書き継いだという特殊な制作過程だったりと、予想を難しくする要素の多い作品でしたが、ベスト10を逃したものの次点の11位だったので、まあ予想通りの結果と言えるのでは。
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双頭のバビロン / 皆川博子 <感想記事はこちら>
( 予想 > 19位 結果 > 12位 )
昨年3位のNo.480「開かせていただき光栄です」に比べればミステリ要素が薄かったのでどうなることかと思いましたが、期待(予想)以上に票が入りましたねェ。
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ラバー・ソウル / 井上夢人 <感想記事はこちら>
( 予想 > 31位以下 結果 > 13位 )
この作品は一般的な評価も高かったし、自分もランクインの可能性は大いにあるとは思っていましたが、意外と票が入らないのではないかとみて30位以内の予想から外してしまったのですよねェ。
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謎の謎その他の謎 / 山口雅也 <感想記事はこちら>
( 予想 > 31位以下 結果 > 13位 )
昨年には全くと言っていいほどに話題にならなかったNo.481「狩場最悪の航海記」でも次点の21位となったように、山口雅也の「このミス」との相性はかなり良いです。
なので昨年はランクインと予想したものの、今年の本作は“結末をあえて曖昧にして終わるリドル・ストーリーの作品集”といった部分で票が伸びない要因になるのではないかと思い、30位以内に予想しなかったのですが、逆にその部分が「このミス」だけでなく「本ミス」「早ミス」でも評価されていたので、完全に自分の見込み違いでした.....。
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猫間地獄のわらべ歌 / 幡大介 <感想記事はこちら>
( 予想 > 31位以下 結果 > 13位 )
この作品はバカミス好きの自分にとっては今年の大収穫で、でもさすがに知名度もないだろうと思ってランクインの可能性すら検討していなかったのですが、「本ミス」に続いて「このミス」でもランクインとなったのですから嬉しい驚きでした。
ただ、“なんだみんなこの作品の存在&面白さを知ってたのか~”というちょっと寂しい気持ちもないことはなくて.....。
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パラダイス・ロスト / 柳広司 <感想記事はこちら>
( 予想 > 9位 結果 > 16位 )
連続2位となったシリーズ前2作より順位が下がるとは思っていましたが、ベスト10にも入らないとはちょっとだけ驚きました。
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残 穢 / 小野不由美 <感想記事はこちら>
( 予想 > 15位 結果 > 17位 )
これで小野不由美のホラーミステリ系作品は、「このミス」に初ランクインした「東亰異聞」(1995年14位)以降は4位・29位・24位で今回が17位と、やはり安定して票を集めてますね。
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或るろくでなしの死 / 平山夢明 <感想記事はこちら>
( 予想 > 24位 結果 > 18位 )
読んだ感じでは、短編集ということもあるしやはりNo.441「ダイナー」(2010年版15位)と比べるとランクインするにはもう一インパクト足りないかな~と思っていたのですが、それでもランクインという結果を見てしまえば納得出来てしまいますねェ。
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夜の国のクーパー / 伊坂幸太郎
( 予想 > -位 結果 > 19位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」の方に書きました。
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泡坂妻夫引退公演 / 泡坂妻夫 <感想記事はこちら>
( 予想 > 23位 結果 > 20位 )
やはり「このミス」実績のある作家の最後の晴れ舞台なので、当初は20位以内に予想していたのですが、ミステリ要素がほとんどなかったこともあり最終的に20位以下の予想に変えてしまったのは残念でした。
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アルカトラズ幻想 / 島田荘司 <感想記事はこちら>
( 予想 > 4位 結果 > 21位 )
それではここから、大いなる反省会の開始となります.....。
結果的に20位と1点差の次点だったのでかなり惜しかったとはいえ、やはり“ベスト5に予想した作品がランク外”というのはやってはいけないですよねェ。
この強引なまでの場面展開によるとんでもない内容は「このミス」でこそ評価されると思っていたのに、「本ミス」が8位、「文春」が15位で「このミス」が一番低い順位ということで、完全な見込み違いでした.....。
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夢 違 / 恩田陸 <感想記事はこちら>
( 予想 > 10位 結果 > 41位 )
さすがにベスト10予想は思い切りすぎたかとも考えましたが、それでもトンデモ系恩田作品と相性が良い「このミス」ならばランクインはしてくるだろうと確信していたので、この結果には驚きました.....。
やはり発売時期(前年11月)が影響したのかな?とも思いましたが、20位台でも30位台でもなかったのでそれもなかったのだろうし.....。
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密室蒐集家 / 大山誠一郎 <感想記事はこちら>
( 予想 > 11位 結果 > 26位 )
「本ミス」では2位とかなりの高順位でしたが、「このミス」ではランクイン一歩手前止まりに。
「本ミス」での高評価は予想通りで、「このミス」では同じく高評価になるかほとんど票が入らないかのどちらかだろうと予想していたものの、そのどちらでもない中途半端な結果でしたねェ。
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夜明け遠き街よ / 高城高 <感想記事はこちら>
( 予想 > 12位 結果 > 25位 )
復活後は毎作安定して票を稼いでいる高城作品ですが、本作も票が入ったもののランクインまでは一歩及ばず。
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鍵のない夢を見る / 辻村深月 <感想記事はこちら>
( 予想 > 13位 結果 > 41位 )
直木賞受賞作の短編集ということで票が入りにくいかな?とも考えたものの、各作品で犯罪が描かれる内容が「このミス」的かなと思いランクイン予想に。
ただ、予想を終えた直後に、「このミス」初ランクインを前年に果たしたNo.603「水底フェスタ」を読んでみたら、同じく犯罪が描かれる内容ではあってもその迫力や圧倒され度に大きな違いがあったので、その時点で“今年のランクインは難しいかな”と考え直してしまいました。
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太陽は動かない / 吉田修一 <感想記事はこちら>
( 予想 > 14位 結果 > 23位 )
ベスト5もベスト10もありえそうだけれど、こういったタイプの作品は一段下がって10位台になるのではないかと予想したのですが、もう一段下がった20位台という結果でしたねェ。
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猫ノ眼時計 / 津原泰水 <感想記事はこちら>
( 予想 > 16位 結果 > 29位 )
この作品は、自分の願望も結構込めてのランクイン予想だったので、とりあえず20位台になるほどには票が入っていたというだけでもホッとした気持ちです。
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千年ジュリエット / 初野晴 <感想記事はこちら>
( 予想 > 18位 結果 > 投票数0 )
20位・27位・33位と前3作全てが安定して票を集めているシリーズの4作目ということで、ランクインを逃したとしてもギリギリのところまでは確実に票が集まると思っていたのですが、結果はまさかの投票数0。
「本ミス」では「カマラとアマラの丘」(10位)に票を奪われる形での0票だったのに対し、「このミス」では「カマラ~」にもそれほど票が入っていなかったので(3票入った37位)、これはシリーズ(吹奏楽部)の流れとして見ると番外編的な内容だったのが影響していたのでしょうかねェ。
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空耳の森 / 七河迦南 <感想記事はこちら>
( 予想 > 20位 結果 > 投票数0 )
何を説明してもネタバレになってしまうという作品集なので、締切ギリギリの発売ということもあり、この作品から受けた衝撃&インパクトが残った状態で投票作業を行う投票者が多いのでは、と考え思い切ってランクイン予想にしました。
そしたら結果は投票数0だったので、単に自分がこの作品から受けた衝撃&インパクトが残った状態で予想作業を行っていた、ってだけだったんですねェ。
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というわけで、まずは「このミス2013年版」のランキング(順位)予想」の反省を<総論編><各論編>と分けて書いてみました。
そして続きまして、「このミス2013年版」としては最後の反省会となります、「対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」を書いてみたいと思います。
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【「このミステリーがすごい!2013年版」関連記事】
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