「2013 本格ミステリ・ベスト10」
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「このミス」や「本ミス」にランクインしそうな作品を予想・検討しながらミステリ小説を読んでいる自分にとって、「このミス」「本ミス」が発売されるこの時期は、年末を前にして早くも“一年の総決算”といった心持ちになるのですが、まずは「本ミス」の方が発売となりました。
と、ここで、「このミス」と「本ミス」の違いを簡単に説明してみますと、「このミス」の対象となるのはミステリー&エンターテイメント本で、すなわちこんなタイトルに関わらずミステリ本だけが対象となっているわけではないのに対し、「本ミス」の方は、そのタイトル通り、ミステリの中でも“本格ミステリ小説”に限定されたランキングなのです。
なので、同じミステリ本のランキングでもその対象作品は異なるため、それぞれ独自のランキングが作られるので面白いのですが、それ故に「このミス」を予想するのと「本ミス」を予想するのとでは、読むべき作品も微妙に変わってくるのです(それぞれの投票者の好みなんかも違っていますし)。
よって、これまで「このミス」の予想はしても「本ミス」の予想はしてこなかったのですが、今年は余裕があれば「本ミス」予想をするのに読み逃せない作品も読んでいこうと思っていたものの、結局それは叶いませんでした.....。
それでも来年は予想するかもしれないので、反省の意味も込めまして、一体「本ミス」にランクインした本のうちどのくらい読んでいたのか、そしてもし「本ミス」予想するのであればどの本を読んでいたのだろうか、といったところを、ランキングと共にちょっと見てみたいと思います。
とはいえ、ランクインした作品以上に売れてしまうという超ベストセラーな「このミス」と比べると、「本ミス」の方は知名度も売れ行きもかなりの差があるため、発売直後にランキングを書いてしまうのはやはり躊躇われるので、昨年同様にとりあえずは事前に読んでいた作品のみ当ブログ記事へのリンクを付けるだけにして、しばらくした後でランキングを書いてみましょう。
○:事前に読んでいた作品 ●:読みたかったけど読めなかった作品
▲:「本ミス」を予想するのであれば必ず読んでいたであろう作品
×:特に読むつもりはなかった作品
()内は、「このミス」順位
タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想記事です
01位 : ○ キングを探せ / 法月綸太郎 (8位)
02位 : ○ 密室蒐集家 / 大山誠一郎 (26位)
03位 : ○ 奇面館の殺人 / 綾辻行人 (9位)
04位 : ○ 幽女の如き怨むもの / 三津田信三 (4位)
05位 : × 体育館の殺人 / 青崎有吾 (57位)
06位 : ● 江上二郎の洞察 / 有栖川有栖 (60位)
07位 : ▲ 葬式組曲 / 天祢涼 (投票数0)
08位 : ○ アルカトラズ幻想 / 島田荘司 (21位)
09位 : ▲ スチームオペラ / 芦辺拓 (34位)
10位 : × カマラとアマラの丘 / 初野晴 (37位)
11位 : ○ カラマーゾフの妹 / 高野史緒 (7位)
12位 : ▲ 星を撃ち落とす / 友桐夏 (33位)
13位 : ○ ファイナル・オペラ / 山田正紀 (103位)
14位 : ○ 猫間地獄のわらべ歌 / 幡大介 (13位)
15位 : ○ 夏服パースペクティヴ / 長沢樹 (22位)
16位 : ▲ 聴き屋の芸術学部祭 / 市井豊 (24位)
17位 : ○ 謎の謎その他の謎 / 山口雅也 (13位)
18位 : ○ 猫柳十一弦の後悔 / 北山猛邦 (45位)
19位 : ○ ラバー・ソウル / 井上夢人 (13位)
19位 : ○ 衣更月家の一族 / 深木章子 (投票数0)
21位 : ▲ 奇譚の島 / 小島正樹 (投票数0)
22位 : ○ 64(ロクヨン) / 横山秀夫 (1位)
22位 : ○ ソロモンの偽証 / 宮部みゆき (2位)
24位 : ○ 不可能楽園<蒼色館> / 倉阪鬼一郎 (45位)
25位 : ○ パラダイス・ロスト / 柳広司 (16位)
25位 : ○ インサート・コイン(ズ) / 詠坂雄二 (85位)
27位 : ▲ ココロ・ファインダ / 相沢沙呼 (投票数0)
28位 : ○ 嫉妬事件 / 乾くるみ (投票数0)
29位 : ○ ビブリア古書堂の事件手帖3 / 三上延 (119位)
29位 : ○ 彼女が追ってくる / 石持浅海 (投票数0)
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事前読んでいた作品数を、過去3年と比較してみますと、
> 2010年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→14作品、ベスト30→22作品
> 2011年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→14作品、ベスト30→21作品
> 2012年版 : ベスト10→6作品、ベスト20→13作品、ベスト30→17作品
*2012年版はベスト20が21作品(20位が2作品のため)
> 2013年版 : ベスト10→5作品、ベスト20→13作品、ベスト30→21作品
というわけで、ベスト20は例年並み、ベスト30はおととしのレベルに回復しましたが、ベスト10が半数の5作品しか読めていませんでした.....。
まあ、“本ミスにはランクインするかも?”と思っていた作品が多かったものの、まさかベスト10に入るほどだとは考えていなかった作品がいくつもあったので、個人的には結構驚きのランキングでした(14位は嬉しい驚きでしたねェ)。
内容の方にも触れてみますと、コーナーや企画など例年と変わりないものの、やはりランクイン作品の解説も含めて文章量が多いので(「このミス」と比べると特にそう感じます.....)、これから年末にかけてじっくりと読んで1年を振り返ることができそうです。
それから、一昨年が「2000-2009 海外本格ミステリ オールベスト・ランキング」、昨年が「2001-2010 新世紀 本格短編 オールベスト・ランキング」と、特別ランキング企画が行われていましたが、今年はそういった企画はなし。
それでも、皆川博子・會川昇・大山誠一郎それぞれのインタビューや、竹本健治と法月綸太郎の対談など、「本ミス」らしい人選によるインタビューコーナーが豊富なので、物足りなさを感じることはありませんでしたね(まだパラパラ見した程度ですが)。
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