『11 eleven』 津原泰水 > 「このミス」完全読破 No.602
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.602
『11 eleven』 津原泰水
「このミス」2012年版 : 12位
受賞(候補) :
総合ランキング : 「2014オールタイム・ベストSF(国内短編部門)」
1位作品 『五色の舟』 収録
「短編SF・オールタイムベスト(国内編)」
4位作品 『五色の舟』 収録
46位作品 『テルミン嬢』 収録
「怪談短篇オールタイムベスト(国内編)」
35位作品 『五色の舟』 収録
年度ランキング : 「Twitter文学賞」 1位
「AXNミステリー 闘うベストテン」 2位
「ベストSF2011」 4位
「ミステリが読みたい!」 7位
「週刊文春ミステリーベスト10」 12位
読始:2012.11.6~ 読終:2012.11.6
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 :単行本 <2011年6月>
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津原泰水は、“津原やすみ”名義で少女小説を書いていた時期もありましたが、現在の名義になってからは、SFにホラーに幻想小説にミステリに青春小説にと、様々なジャンルの作品を発表しています。
そして本作はそんな津原泰水のノンシリーズ短編集なのですが、その収録作は作者お得意の幻想性溢れる作品揃いとなっているのです。
しかも、年間SF傑作選集に収録された作品やSF系文学賞の候補となった作品も多く収録されていることからもわかるように、作者自身の傑作選とでもいうべき豪華な内容でして、ミステリ要素はほどんどないのにも関わらず「このミス」にランクインしたことからも、その評価のほどが伺えますね。
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というわけで本作ですが、「五色の舟」「延長コード」「追ってくる少年」「微笑面・改」「琥珀みがき」「キリノ」「手」「クラーケン」「YYとその身幹」「テルミン嬢」「土の枕」という11の短編を収録。
SFとして評価されている作品が多いとはいえ、現実的な設定の作品がほとんどでして、日常の一部を切り取ったようなドラマが語られていきます。
ところが、そんな中で突如として、またはじわじわと、非日常の世界へといざなう不思議な現象や、日常を打ち崩す不穏な展開が起きていくことで、作品世界は幻想性で覆われていくのです。
そんな物語が、定評のある硬質でありながら美しい文章で彩られているため、幻想的な雰囲気は心地よく、一方でおぞましいまでの恐怖にゾクリとさせられるので、読んでいけばこの独特の世界観にどっぷりとのめり込むことが出来るはず。
とはいえ、その評判の高さに反してかなり人を選ぶ作風だと思うし、この幻想性を楽しむことが出来ないとモヤモヤ感が残るだけになってしまうかもしれないので、津原作品未読の方ならば、手軽に読めるページ数の作品集ということもありますし、とりあえず期待をあまり高めずに気軽に読んでみるのがよいのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.568 「ピカルディの薔薇」
> No.565 「蘆屋家の崩壊」
> No.376 「瑠璃玉の耳輪」
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