『空耳の森』 七河迦南 > 「このミス」完全読破 No.601
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.601
『空耳の森』 七河迦南
「このミス」2013年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.11.5~ 読終:2012.11.5
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 :単行本 <2012年10月>
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七河迦南は、鮎川哲也賞を受賞したNo.368「七つの海を照らす星」で2008年にデビュー。
そしてデビュー2作目にして“七海学園シリーズ”2作目となったNo.387「アルバトロスは羽ばたかない」が、「このミス」9位&「本ミス」5位とどちらでもベスト10にランクインするほどの評価を得て、一躍注目の作家となりました。
そして本作はノンシリーズの短編集となりますが、どの作品もラストに驚きの仕掛けが施されていることもあり、何を説明してもネタバレに繋がってしまいそうなので、本作を未読でそのうちに読みたいと思っている人は、この記事の波線より下や、他のサイト・雑誌等の感想や書評をなるべく目にせずに、出来るだけ早く読んでしまうことをお薦めします。
ただ本作を読むうえで一つだけ大きな注意点がありまして、本作には「七つの~」及び「アルバトロス~」に関連する話や後日譚が含まれていて、その2作を未読の人が本作を読んでも意味が分からなかったり2作のネタバレとなってしまうため、本作を読むにはその前に「七つの~」と「アルバトロス~」を読んでいることが必須条件といえるでしょう。
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というわけで本作ですが、「冷たいホットライン」「アイランド」「It's only love」「悲しみの子」「さよならシンデレラ」「桜前線」「晴れたらいいな、あるいは九時だと遅すぎる(かもしれない)」「発音されない文字」「空耳の森」という9つの短編を収録。
いずれもの作品にもサプライズがあるものの、そこまで独創的だったり衝撃的だったりするわけではないので、こういった作品を多く読んでいる人ならば途中でその仕掛けに気付いてしまいやすいかもしれません。
ただ、途中で気付かなければ単純に驚ける話ばかりですし、収録作の舞台も作風も仕掛けもバラエティーに富んでいるので、一作品における分量も少なめということもあり、気軽にこの“どんでん返し作品集”を楽しむことができるのではないでしょうか。
そしてこの他にも大きな仕掛けが施されていまして、本作の魅力を伝えようとするならばその部分こそを熱く書かねばならないのですが、これがどうにも書きようがないのですよねェ(そのために上の方でもあえて嘘を一つ書かねばなりませんでしたし.....)。
何をどのように書いてもネタバレに繋がってしまいそうで、現に自分も本作に関する魅力的な情報を得たために予定を早めて読んでみたのですが、その情報というのは別にネタバレとも言えないような本当にちょっとしたものだったのに、読み終えてみたら、その情報を知らずに読んでいればもっと何倍も何十倍も驚けていたな~と悔しく思ってしまいましたからね。
つまりは、“七河迦南の新作だから”という理由だけでほとんど情報も仕入れずに読んだ人のみが本作の魅力を最大限に受けられるという、かなり扱いずらい作品でもあるので、まあとにかく、作者の前2作が面白かったという人ならば、本作の情報を目に耳にしてしまう前に、出来るだけ早く読んでしまうことをお薦めします。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “七河迦南”関連記事 】
> No.601 「空耳の森」
> No.387 「アルバトロスは羽ばたかない」
> No.368 「七つの海を照らす星」
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