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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.599
『魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?』 東川篤哉
「このミス」2013年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.11.1~ 読終:2012.11.1
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 :単行本 <2012年9月>
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東川篤哉は、今さら説明することでもないですが、2010年に発売されたNo.421「謎解きはディナーのあとで」で一躍大ブレイクを果たしました。
その後も、翌年にはテレビドラマ化され、その放送期間内にシリーズ2作目のNo.518「謎解きはディナーのあとで2」が発売されてまたもや大ヒット、さらにはこのシリーズの影響からユーモアミステリブームが巻き起こるなど、一つのジャンルを一般レベルに押し上げる役割を果たすまでの存在に。
その大盛り上がりも最近ではひと段落ついた感があるものの、来年(2013年)には映画化が決定していて、その前に今年(2012年)12月にはシリーズ3作目の発売が控えているので、このシリーズももう一盛り上がりあるかもしれませんね。
そしてそんな状況の中で、新シリーズの開幕となったのが本作です。
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というわけで本作は、「魔法使いとさかさまの部屋」「魔法使いと失くしたボタン」「魔法使いと二つの署名」「魔法使いと代打男のアリバイ」の4つの中編を収録した連作集です。
主人公の小山田聡介は、美人ながらアラフォー独身で気の強い上司・椿木綾乃に虐げられることが生きがいという変態的な面を持つ若手刑事。
この主人公を中心とした軽快な掛け合いがありつつ殺人事件の捜査が行われていくということで、キャラクター以外は「謎解きは~」シリーズとかなり近い設定・作風・構成なのですが、「謎解きは~」と一番違う部分というのが、登場人物の一人に“魔法使いの少女”がいるということなのです。
魔法使いが存在するとなると、もう何でもありな世界なのでミステリとして成立するのか疑問で、実際に本作でも魔法少女が魔法によっていきなり真犯人を指摘するのですが、魔法が当たり前ではない現実世界が舞台となっているので、魔法少女が真犯人を指摘したからそれで事件も解決、とはならないのですよね。
つまり本作は、捜査する側(主人公)が真犯人を知ったうえで、いかに証拠や自白を引き出してその真犯人による犯行を証明するのか、といった部分に焦点を当てた本格ミステリ作品なのです。
それがユーモアミステリとして仕上げられていることもあり、「謎解きは~」を楽しめなかった人は本作でも同様になるかもしれないし、「謎解きは~」とタイプが同じということでさすがに食傷気味に感じる人も多いかもしれませんが、本作ならではの本格ミステリ的な読み方が出来るので、あまり斜に構えることなくこの軽快な魅力を楽しんでほしいですね。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “東川篤哉” 関連記事 】
> No.709 「探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに2」
> No.599 「魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?」
> No.518 「謎解きはディナーのあとで 2」
> No.433 「放課後はミステリーとともに」
> No.421 「謎解きはディナーのあとで」
> No.090 「もう誘拐なんてしない」
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