『禁断の魔術 ガリレオ8』 東野圭吾 > 「このミス」完全読破 No.598
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.598
『禁断の魔術 ガリレオ8』 東野圭吾
* 文庫化の際に「猛射つ」以外は
No.580「虚像の道化師」と合わせて1冊に収録され
(タイトルは『虚像の道化師』)
「猛射つ」は大幅に加筆して長編となり
『禁断の魔術』として単独文庫化
「このミス」2013年版 : 45位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
(文庫ランキング) 4位
「週刊文春ミステリーベスト10」 8位
読始:2012.10.31~ 読終:2012.10.31
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 :単行本 <2012年10月>
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「探偵ガリレオ」、「予知夢」、No.45「容疑者Xの献身」、「ガリレオの苦悩」、No.130「聖女の救済」、No.457「真夏の方程式」、No.580「虚像の道化師」に続く、“ガレリオシリーズ”の8作目です。
なお、シリーズ短編集としては「探偵ガリレオ」「予知夢」「ガリレオの苦悩」「虚像の道化師」に続いて5作目。
前作短編集「虚像の道化師」から2ヶ月という早いタイミングでの発売となりましたが、元々は1冊の短編集として構想していたそうです。
ただ、本作収録の「猛射つ」が予想以上のボリュームとなったことから、本数をさらに増やして2冊に分けて発売することになったようですね。
なお、過去のシリーズ作を未読な状態でいきなり本作を読んだとしても、特に問題はないでしょう。
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というわけで本作は、「透視す」「曲球る」「念波る」「猛射つ」の4編を収録。
物理学者である湯川学が科学の知識を使って事件のトリックを見破るシリーズの短編集ですが、前作「虚像の道化師」とは収録作の傾向に違いが感じられました。
というのも、前作は事件の直接的な謎(真犯人や殺害トリック)について湯川が迫っていく王道的な内容だったのに対し、本作の収録作は、事件の直接的な謎については結構あっさりとしていて、それよりも事件と間接的に関わって来る謎について多く語られていきます。
そのため、謎の真相が明かされたからといって事件解決に大きく影響するわけではないものの、被害者に関係する人間ドラマが浮かび上がることで、切ない感動を呼び起こすのです。
そして最後に収録の「猛射つ」は中編ともいえる分量なのですが、“湯川の教え子が容疑者”となることもあってか、他の収録作とは少し趣が違いました。
湯川と教え子との関係、教え子が犯行を決意するきっかけとなった出来事、そしてこれから起きようとしている事件を巡る騒動などが、これまでのような科学を使ったトリックや推理はもちろん、サスペンス的な展開や、湯川の人間的な部分があらわになる演出などを込みながら描かれていくので、中編に変更されたのにも頷けるくらいの読み応えがありましたね。
というわけで、本作は前作と比べても特にドラマ的な部分に焦点が当てられていたように感じましたし、湯川の心情や人間味も味わうことができるので、短編集だからといって軽視するのはもったいないですし、シリーズを通しての“ガリレオ”好きな人ほど心行くまで楽しむことが出来る作品だと思います。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.0598 「禁断の魔術 ガリレオ8」
> No.0580 「虚像の道化師 ガリレオ 7」
> No.0537 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
> No.0526 「歪笑小説」
> No.0479 「マスカレード・ホテル」
> No.0457 「真夏の方程式」
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> No.0418 「鳥人計画」
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> No.0006 「名探偵の掟」
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