「このミステリーがすごい!2013年版」ランキング(順位)予想
* 「このミステリーがすごい!」は、1990年より翌年度表記(満年齢から数え年)に変更しているので、この“2013年版”は、2012年(2011年11月~2012年10月)に発売された作品のランキング予想となっています。
なので、2013年(2012年11月~2013年10月)に発売された作品を対象とした“2014年版”のランキング予想に関しては、「このミス2014年版」ランキング(順位)予想の方をご覧ください。
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これで5年目となりますが、今年も「このミステリーがすごい!」のランキング(順位)予想をしてみたいと思います。
まずは予想の発表の前に、予想を見るうえでの注意点からご覧ください。
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【 ランキング(順位)予想を見るうえでの注意点 】
・これは、あくまで素人である当ブログ管理人が個人的に予想しているものです。
なので、結果が出てみたら、10位以内に予想した作品にほとんど票が入らなかったりとか、全体的に見当違いな予想であったりする可能性もありえますので、その点をご了承した上で参考にしてみてください。
・この予想の対象は、自分がこれまで読んだ作品のみとしているので、読んでいない作品は、ランクインするかもしれないな~と思っていても予想には入れていません。
これまでに読んだ作品(この予想の対象となる作品)については、ここに書くとかなりの長さとなってしまうので、「このミス2013年版」上半期のランクイン候補作品および「このミス2013年版」下半期のランクイン候補作品にてご確認ください(予想を終えた時点で読み終えたのは84作品)。
・「このミス」における“ランクイン”とは20位以内のことをいいますが、今年も昨年と同様に、30位まで予想してそのうち何作がベスト20にランクインするか、といった感じでやってみたいと思います。
・過去の予想実績に関しては、以下の記事にてご確認ください。
「このミス2012年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>
「このミス2011年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>
「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>
「このミス2009年版」ランキング(順位)予想 <反省会>
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【 「このミス2013年版」ランキング(順位)予想 】
*タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです
01位 : 64(ロクヨン)
/ 横山秀夫 <感想記事はこちら>
02位 : ソロモンの偽証
/ 宮部みゆき <感想記事はこちら>
03位 : キングを探せ
/ 法月綸太郎 <感想記事はこちら>
04位 : アルカトラズ幻想
/ 島田荘司 <感想記事はこちら>
05位 : 機龍警察 暗黒市場
/ 月村了衛 <感想記事はこちら>
06位 : 奇面館の殺人
/ 綾辻行人 <感想記事はこちら>
08位 : 屍者の帝国
/ 伊藤計劃・円城塔 <感想記事はこちら>
09位 : パラダイス・ロスト
/ 柳広司 <感想記事はこちら>
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11位 : 密室蒐集家
/ 大山誠一郎 <感想記事はこちら>
12位 : 夜明け遠き街よ
/ 高城高 <感想記事はこちら>
13位 : 鍵のない夢を見る
/ 辻村深月 <感想記事はこちら>
14位 : 太陽は動かない
/ 吉田修一 <感想記事はこちら>
17位 : 幽女の如き怨むもの
/ 三津田信三 <感想記事はこちら>
18位 : 千年ジュリエット
/ 初野晴 <感想記事はこちら>
19位 : 双頭のバビロン
/ 皆川博子 <感想記事はこちら>
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21位 : 玩具店の英雄
/ 石持浅海 <感想記事はこちら>
23位 : 泡坂妻夫引退公演
/ 泡坂妻夫 <感想記事はこちら>
24位 : 或るろくでなしの死
/ 平山夢明 <感想記事はこちら>
25位 : 147ヘルツの警鐘
/ 川瀬七緒 <感想記事はこちら>
27位 : 楽園のカンヴァス
/ 原田マハ <感想記事はこちら>
29位 : 贖罪の奏鳴曲
/ 中山七里 <感想記事はこちら>
30位 : 夏服パースペクティヴ
/ 長沢樹 <感想記事はこちら>
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今年の1位争いは「ソロモンの偽証」と「64」の一騎打ちとなりそうですが、「ソロモンの偽証」は前評判も発売後の評判もかなり高いですし、2009年版以降の4年間は本命視されていた作品が2位以下に差を付けて順当に1位となっていることからも、こちらが1位になる可能性が高そうです。
ただ「64」の方も、内容や評判が1位に値するものであるのはもちろん、休業前にはほぼ毎年上位にランクインしていた実績ある作家の7年ぶりの新作というプレミアム感がありますし、“もう「ソロモン~」1位でしょうがない”という流れの中でそれに対抗できる作品が発売されたことによるインパクトも「64」有利に働きそうな気がしたので、思い切って「64」を1位、「ソロモンの偽証」を2位に予想してみました。
3位の「キングを探せ」は、本格ミステリの技巧が冴える内容はもちろんですが、法月綸太郎の長編作品はこれまでの9作中7作ランクイン(6作連続ランクイン中)で、新作としては3年ぶり、長編作品としては約6年ぶり、“法月綸太郎シリーズ”の長編としては7年ぶりの新作ということもあり、このくらいの高い順位に入ってくるのでは。
4位の「アルカトラズ幻想」は、統一性なく展開されていく物語により賛否分かれるような内容なので票が読みにくいのですが、「このミス」ではそういった常識外れの作品は好まれる傾向にあると思うし、それを書いたのが大御所作家ということもあって、意外と票が集まるのではないかと考え、思い切って高順位に予想。
5位の「機龍警察 暗黒市場」は、シリーズ2作目である前作No.492「機龍警察 自爆条項」が昨年9位にランクインしたのですが、本作もその前作に勝るとも劣らない内容でしたし、このシリーズへの注目度も前作発売時より格段に上がっていると思うので、前作より上の順位になるのではないかと。
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6位の「奇面館の殺人」は、実績あるシリーズの久々となる新作ですし、作者自身も2010年版3位のNo.252「Another」で「このミス」的復活を遂げているので、確実に票を集めるのでは。
7位の「地の底のヤマ」は、まだ「このミス」実績のない作家ではありますが、先日発売された“この警察小説がすごい! ALL THE BEST(「このミス」と同じ宝島社のムック本)”において「このミス」歴代ランクイン作品に混じって20位以内に入っていたので、「このミス」でも票を稼ぐのではないでしょうか。
8位の「屍者の帝国」は、SF作家によるSF作品なので、“マルドゥック・シリーズ”(冲方丁)でもベスト10入りまではしていないことからも、ランクインするかどうかギリギリの位置付けかとも思いました。
ただ内容的にはエンタメ的要素が詰め込まれていますし、過去の伊藤計劃単独作品は次点となるくらいの票を集めていましたし(「虐殺器官」が21位)、なにより“伊藤計劃が遺した冒頭部分を盟友である円城塔が書き継いだ”という創作過程とその反映具合が「このミス」でも評価されるのではないかと考え、思い切ってこの順位に。
9位の「パラダイス・ロスト」は、前2作No.162「ジョーカー・ゲーム」&No.243「ダブル・ジョーカー」がいずれも2位と人気&評価の高いシリーズの最新作ということで、今回も票を集めそうですが、ただ新鮮味はあまりなかった感じなので、このくらいの順位に落ちるのではないかと予想。
10位の「夢違」は、内容がとんでも系なほど「このミス」で評価される傾向にある恩田作品ですし、そんな特徴が活かされた設定の作品だったので、まあそれでも11~20位が妥当かなとも思うも、他に10位に入れたい作品がなかったこともありこの順位に。
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11位の「密室蒐集家」は、「本ミス」「このミス」共に票を集めるタイプなのか、「本ミス」では票を集めるけど「このミス」ではいまいちなタイプなのか見極めが難しいのですが、「このミス」ランクイン実績がないとはいえデビュー作は26位になるほどに票が入っていましたし、端正な本格ミステリ短編作家としての評価も高いので、ちょっと高めかなと思いつつこの順位に入れてみました。
12位の「夜明け遠き街よ」は、高城作品はマニア向けではあるものの、作家復帰後の新作はNo.499「函館水上警察」が12位、「ウラジオストクから来た女」が33位といずれも票を集めていますし、本作もこの作者ならではの魅力があったので、このくらいの順位に入ってもおかしくないのでは。
13位の「鍵のない夢を見る」は、直木賞を受賞した短編集で、収録各作品に犯罪の要素があったので「このミス」向きだと思うし、昨年は初ランクインながら2作同時ランクインと勢いがあるので、今回も女性票を中心に集めるのではないでしょうか。
14位の「太陽は動かない」は、スケールの大きいエンタメスパイアクション作品ということで、ベスト10に予想しても良かったのですが、結果的にはこのくらいの順位に落ち着くのではないかと。
15位の「残穢」は、小野不由美の9年ぶりとなる新作ですし、「このミス」に初ランクインした「東亰異聞」(1995年14位)以降のホラーミステリ系作品は4位・29位・24位と全ての作品が安定して票を集めているので、ミステリ要素のある本作で久々のランクインを果たすと予想。
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16位の「猫ノ眼時計」は、1作目No.565「蘆屋家の崩壊」が14位にランクインしたシリーズの3作目&完結編ですが、今回はその1作目に近い作風でしたし、作者自身は2年連続で「このミス」ランクイン中で、昨年は「11 eleven」が非ミステリ作品ながら12位と高順位に入っているので、本作も堅実に票を集めそうですね。
17位の「幽女の如き怨むもの」は、長編作品が3作連続でベスト10入りしているシリーズの最新長編なのですが、今回は本格ミステリ的な仕掛けがいつもとは違うこのシリーズの中では異色作なので、ランクインはしてもこのくらいの順位になるのではないかな~と。
18位の「千年ジュリエット」は、No.268「退出ゲーム」が20位、No.269「初恋ソムリエ」が27位、No.386「空想オルガン」が33位と過去作が安定して票を集めているシリーズの4作目ですし、本作はシリーズ最高傑作という評価も目にするので、1作目以来のランクインを果たす可能性は大いにあるのでは。
19位の「双頭のバビロン」は、昨年3位のNo.480「開かせていただき光栄です」に比べればミステリ要素が薄いですが、皆川作品の魅力が詰め込まれていたので、「開かせて~」ほどではないとはいえ票を集めてくると思うのです。
20位の「空耳の森」は、驚きの仕掛けが施された作品を集めた短編集で、それ以上何を説明してもネタバレになってしまうという作品集なのですが、ランクインまではどうかな?とも思うも、締切ギリギリの発売ということもあって、この作品から受けた衝撃&インパクトが残った状態で投票作業を行う投票者が多そうな気もするので、結局はランクインと予想してみました。
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30位以内に予想しなかった作品についても言及してみますと、まずNo.553「鮫島の貌」大沢在昌、No.525「粘膜戦士」飴村行、「江神二郎の洞察」(有栖川有栖)といった人気シリーズの短編集は、「このミス」では長編が人気のシリーズの短編集はあまり票が入らない傾向があるため、上位(30位以上)に予想せず(&予想前に無理して読まず)。
東野圭吾作品は、まずNo.537「ナミヤ雑貨店の奇蹟」に関しては、2006年版1位のNo.45「容疑者Xの献身」以後にランクインした東野作品は“ガリレオシリーズ”と“加賀恭一郎シリーズ”のみということを考えれば、ファンタジー風ミステリである本作はあまり票が伸びないのではないでしょうか。
"ガリレオシリーズ"のNo.580「虚像の道化師」&No.598「禁断の魔術」は、このシリーズで「このミス」にランクインしたのは長編作品のみで、それにも関わらず昨年発売の最新長編No.457「真夏の方程式」は1票入っただけだったので、今回の短編集2作がランクイン(または30位以上)というのはないのではないかと予想。
2006年版から昨年までの7年間で警察小説の発表がなかった2009年版以外の6年でランクインしているという、「このミス」との相性抜群作家である佐々木譲作品は、今年出た2作共に熱い人間ドラマやエンタメ要素が薄めだったので、高くても「地層捜査」が21~30位台となるくらいなのでは。
なお、予想する前に読んでおきたかったけれど読めなかった主な作品は、江神二郎の洞察/有栖川有栖、獣眼/大沢在昌、光圀伝/冲方丁 といったところです。
今回の予想を改めて振り返ってみますと、シリーズものの割合と、短編集・連作集の割合が多すぎるように感じたものの、ただそれは今年の特徴でもあると思うので、そこまで気にしませんでした。
それと、「このミス」ランクイン経験のない作家の作品の割合(20位までの予想中3作のみ)が、例年と比べても少ないように感じたのですが、だからといって積極的に入れ替えたいような作品もなかったので、こちらも気にしないことにしました。
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というわけで、「このミステリーがすごい!2013年版」の予想を行ってみましたが、いかがだったでしょうか。
ランキングが発表された後には、予想の結果や反省を行う<反省会>を更新する予定です(更新しました → 「このミス2013年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>)。
あとは、“自分がもし「このミス」投票者だったら?”ってことで個人的なベスト6を発表する「このミス2013年版」投票者なりきりベスト6も更新したので、もしよかったらそちらもご覧になってみてください。
それから、 「このミス2013年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう!という企画も実施しているので、そちらもぜひともご参加ください。
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【「このミステリーがすごい!2013年版」関連記事】
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> 「このミス2013年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (12.12.8)
> 「このミス2013年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (12.12.10)
> 「このミス2013年版」対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会> (12.12.12)
> 「この"ランク外作品"がすごい!2013年版」 (12.12.14)
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