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2012年10月26日 (金)

『不可能楽園〈蒼色館〉』 倉阪鬼一郎 > 「このミス」完全読破 No.592

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.592

 『不可能楽園〈蒼色館〉』 倉阪鬼一郎

   「このミス」2013年版 : 45位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 24位

   読始:2012.10.17~ 読終:2012.10.19

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 :ノベルス <2012年9月>

不可能楽園 〈蒼色館〉 (講談社ノベルス)不可能楽園 〈蒼色館〉 (講談社ノベルス)
倉阪 鬼一郎

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 今や毎年秋の恒例行事となりました、倉阪鬼一郎のバカミス作品です。

 講談社ノベルスから発売されるこのバカミスシリーズも、No.616「四神金赤館銀青館不可能殺人」、「紙の碑に泪を 上小野田警部の退屈な事件」、No.391「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」No.394「新世界崩壊」No.502「五色沼黄緑館藍紫館多重殺人」、そして本作と、これで6年連続6作目となります。

 そして、奇数年が「○○××館△△館□□殺人」というタイトル、偶数年が“上小野田警部シリーズ”とパターン化されていまして、今年は偶数年ということで本作も“上小野田警部シリーズ”なのですが、なんと本作は“上小野田警部の最後の事件”となっているのですね。

 ちなみに、“倉阪鬼一郎のバカミスシリーズ”といっても、ストーリーに直接的な繋がりがあるわけではないですし、“上小野田警部シリーズ”としても過去作を読んでいないと理解できない部分などないので、どの作品から読んでも問題ありません。

 とはいえ、トリックは常に過去作の仕掛けを踏まえたうえで捻りが加えられているので、やはりバカミスシリーズ1作目の「四神金赤館銀青館不可能殺人」からか、“第三回世界バカミス☆アワード”を受賞した「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」から順に読んでいくことをお薦めします。

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 若くして引退した往年の名女優の告別式が行われている最中、自宅である屋敷に賊が押し入り、執事と家政婦を刺殺し、女優の妹の孫を誘拐する事件が発生。

 この事件に対し上小野田警部が挑むわけですが、これまでのシリーズ作品を読んでいる人向けのくすぐりを入れつつ、また何かが仕掛けられていることを匂わしつつ、誘拐サスペンスミステリが繰り広げられていきます。

 この誘拐劇において、読者を騙す様々なトリックが仕掛けられていて、それだけでも普通のバカミスとして楽しめるのですが、やはり何といってもこのシリーズの最大の魅力といえば、クライマックスで明らかになる、本という形態だからこそ仕掛けることの出来るバカミストリックの数々でしょう。

 まあいつもと同様のパターンではあるのですが、今回はかなり捻りが加えられているので、傾向がわかっていても事前にはなかなか見つけることは出来ないのではないですかね。

 とはいえ、今回はバカバカしい衝撃というよりは、その捻り具合や意味合いなどにこれまで以上の巧みさを味わえる、といった感じですし、終盤では幻想性やホラー性で彩られていきゾクゾクとさせられたりもするので、いつもとは一味違った読み心地を味わえるのでは。

 それでも、作者のバカミスに懸ける執念と愛情がヒシヒシと伝わってくることに変わりはないので、過去作が好きな人ならば本作もニヤリとしながら楽しめると思うし、来年の同じ頃にまた新作が発売されることを望んでやまない気持ちになることは間違いないでしょう。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度  : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度  : ★★★★      おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度  : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★          人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★          感涙ウルウル度 : ★
   衝撃バカミス度 : ★★★★★    気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “倉阪鬼一郎” 関連記事 】

  > No.616 「四神金赤館銀青館不可能殺人」

  > No.592 「不可能楽園〈蒼色館〉」
  > No.502 「五色沼黄緑館藍紫館多重殺人」
  > No.394 「新世界崩壊」
  > No.391 「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」
  > No.192 「遠い旋律、草原の光」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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