『アルカトラズ幻想』 島田荘司 > 「このミス」完全読破 No.588
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.588
『アルカトラズ幻想』 島田荘司
「このミス」2013年版 : 21位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 8位
「週刊文春ミステリーベスト10」 15位
読始:2012.10.2 ~ 読終:2012.10.5
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年9月>
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舞台となるのは、1939年のアメリカ、ワシントンDC。
ジョージタウン大学の脇にある森で発見されたのは、娼婦の殺人死体。
この死体は、木に吊るされていただけでなく、女性器の周りがえぐり取られそこから内臓が垂れ下がっているという、かなり猟奇的なもの。
ロン&ウィリーの刑事コンビが被害者の身元から事件の容疑者を探していると、またもや同じ森で殺人死体が見つかって.....。
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というわけで、テレビのミステリードラマのために書下ろされた原作を元にした「ゴーグル男の怪」を除けば、「このミス」2位に輝いたNo.357「写楽 閉じた国の幻」以来となる島田荘司の新作長編作品です。
なんとも本格ミステリらしい始まりなのですが、この連続殺人事件は意外と早い段階で解決してしまいます。
それでは解決した後はどんな展開になるのかといいますと、これがまた予想を遥かに超えてしまうような、思わず唖然としてしまうくらいのとんでもない展開が待ち受けているのです。
中盤過ぎ頃には“あれ?森で起きた連続猟奇殺人事件は違う作品だったっけ?”と自然に思ってしまったほどでして、そんなジャンルさえ超越してしまう物語転換は本当に驚愕的で、クライマックス場面に至っては冒頭を読んでいた頃にはほんのわずかな想像すら決して出来ないような物語世界へと辿り着いてしまうのですからね。
そのため、この物語展開に対して、強引過ぎだったり統一性が全くないと否定的に捉える人もいるでしょうが、まさにそんな常識破りな所こそが本作の最大の魅力ですし、それでいて本格ミステリとしてきっちりとまとめ上げてしまっているので、まさに島田荘司だからこそ作り上げることの出来た“超本格ミステリー”だったように思います。
まあそんな作品なので、あまり内容について知らずに読んだ方がより驚くことが出来て楽しめると思うので、ここでも猟奇殺人事件後についてあえて具体的にも大雑把にも書きませんでした。
なので、他のサイトや書評などはもちろん、帯に書かれたあらすじや煽り文なども極力目にせずに、本作に対する知識をなるべく少なくした状態で読むことをお薦めします。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.461 「進々堂世界一周 追憶のカシュガル」
> No.420 「奇想、天を動かす」
> No.357 「写楽 閉じた国の幻」
> No.276 「切り裂きジャック・百年の孤独」
> No.273 「異邦の騎士」
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