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2012年9月26日 (水)

『約束の森』 沢木冬吾 > 「このミス」完全読破 No.584

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.584

 『約束の森』 沢木冬吾

   「このミス」2013年版 : 67位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2012.9.16 ~ 読終:2012.9.22

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2012年2月>

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沢木 冬吾

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 もうすぐ50歳になる奥野侑也は、5年前に訳あって警視庁を退職し、現在は生きる意志もなく孤独に暮らす元公安刑事。

 そんな侑也のもとに、かつての上司の仲介により警視庁公安部の緒方が訪れ、寂れた土地にあるモーターモウテルに従業員として潜入する仕事を依頼。

 最初は渋っていた侑也だったが、モウテルの裏手で泥にまみれ虚ろな瞳をした一匹の犬・マクナイトの写真を見たことをきっかけに、この依頼を受ける決心をして.....。

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 そこからはモウテルを舞台にした物語になっていくのですが、(やはり秘密主義である公安の仕事ということもあり)主人公には捜査の詳細はほとんど明かされませんし、そんな中で次々に状況が変わる出来事が起こっていくので、常に緊迫した空気が漂うサスペンス的な雰囲気に包まれています。

 そこに、主人公が心に傷を負い退職するきっかけとなった過去の事件も絡んでいき、それらを力強く乗り越えていく主人公の姿が描かれていくため、ハードボイルド的なドラマ性が作品全体を貫いていました。

 そしてクライマックスでは、まさに命を賭けるほどの激しく壮絶なバトルアクションが繰り広げられるので、予想を裏切るような変化球的な面白さがあるというわけではないものの、ド直球のハードボイルドサスペンスとしての面白さを堪能できるのではないでしょうか。

 ただ本作の最大の魅力は、主人公とその相棒となる犬、偽装家族として同居することになる若い男女、そして周辺住民たちとの人間ドラマにあります。

 孤独に生きてきた主人公や、同じように心に深い傷を持つ人々&犬との、次第に打ち解け絆を深めていく描写というのが、時に楽しく、時に哀しく、感動的に描かれていきますし、それがハードボイルドサスペンス的ストーリー展開とも絶妙に結びついているので、より感動度合を増していくのです。

 まあベタな演出といえるのかもしれませんが、自分的にはこういったタイプには本当に弱くて、途中で何度も涙腺を刺激されてしまったので、当初は電車内など家の外で読んでいたのを、途中から自宅で読む専用にしてしまったほどでしたからねェ。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★★☆☆


   本格ミステリ度  : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度  : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度  : ★★★★★   主キャラ魅力 度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★        気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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