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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.577
『静おばあちゃんにおまかせ』 中山七里
「このミス」2013年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.9.3 ~ 読終:2012.9.5
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年7月>
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2010年のデビュー以来精力的に作品を発表している中山七里ですが、本作で早くも7作目となります。
そんな本作ですが、このタイトルや表紙の印象からして、“身近に起きた騒動や謎について静おばあさんが名推理で解決するライトな日常の謎系ユーモアミステリ”だと想像してしまうかもしれません。
しかし実際に読んでみましたら、まあ中山七里作品にしてはライトかもしれませんが、タイトルや表紙から受ける印象以上に読み応えのある内容でした。
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というわけで本作は、「静おばあちゃんの知恵」「静おばあちゃんの童心」「静おばあちゃんの不信」「静おばあちゃんの醜聞」「静おばあちゃんの秘密」の5話からなる連作集です。
主人公は警視庁に努める葛城公彦で、殺人事件の容疑者になったかつての上司を助けるため独自に調査を進めるも、真相に辿り着くことなく捜査は行き詰りに。
そこで、過去に起きた事件において関係者として事件解決に貢献した女子大生・高遠寺円にアドバイスを求めたところ、たちどころに名推理を披露、しかし円も実は祖母・静から助言を受けていて.....。
というのが第1話のだいたいのあらすじで、その後の話も大体このパターンで進んでいきます。
なので、基本は刑事ミステリで、葛城と円、そして円と静おばあさんとのやり取りによってユーモアミステリとしての面白さもあるのですが、その中にも冤罪や宗教や独裁国家などの社会派的なテーマも込められているので、このライトとヘビーのバランスが絶妙でした。
ただ本作は、一般の女子大生が事件現場に赴いて推理をするどころか、そんな行為を警察の上層部がむしろ推しているという、非現実的な行動が基本となっていますし、クライマックスで炸裂するどんでん返しも、唐突な感もあるし別になくとも成立するので、ネットの感想を見てみても、作者の過去作が好きな人ほど本作への評価は厳しいようです。
とはいえ、非現実的な設定の作品だからこそ使うことの出来たどんでん返しなのではないかとも思いますし、自分としてはネットでの批判的な反響とは違ってどんでん返しも含めてかなり楽しめたので(なので読後に読書メーターなどの感想を読んで驚きました)、もしかしたら本作はあまり細かな部分を気にしないバカミス好きの人にお薦めの作品なのかもしれませんねェ。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力 度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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