『闇の伴走者 醍醐真司の猟奇事件ファイル(博覧推理ファイル)』 長崎尚志 > 「このミス」完全読破 No.567
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.567
『闇の伴走者 醍醐真司の猟奇事件ファイル』 長崎尚志
* 文庫化の際に『闇の伴走者 醍醐真司の博覧推理ファイル』に改題
「このミス」2013年版 : 41位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.8.13 ~ 読終:2012.8.14
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年4月>
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長崎尚志は、小説の世界でよりも他ジャンルですでに有名な人物です。
元々は小学館で漫画雑誌の編集者や編集長を務めていたのですが、退社後は漫画製作の方に関わっていくことに。
そして、編集者&編集長時代のものも含まれますが、「MASTERキートン」「MONSTER」「20世紀少年」「PLUTO」「BILLY BAT」といった浦沢直樹の大ヒット作品では、脚本やプロデューサーなど様々な形で共同制作しているため、浦沢直樹の盟友として名が知られているのですね。
小説家としては、中編集である「アルタンタハー 東方見聞録奇譚」で2010年にデビューを果たし、本作が2作目&初長編作品となります。
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出版関係専門の調査員である水野優希は、故人である大御所漫画家が遺した未発表の漫画原稿に関する調査を、フリーの漫画編集者である醍醐真司と共に行うことに。
この未発表の画稿というのが、35年前に起きた連続女性失踪事件の犯行を匂わすものだったことから、本当に大御所漫画家がこの画稿を描いたのか、違うのであれば一体誰が描いたのか、といったことを探っていくのです。
その謎を解く大きな鍵というのが画稿の中に秘められていますし、過去に大御所漫画家と関わった漫画編集者やアシスタントなどを辿っていったりするので、作中には漫画に関する要素に溢れています。
それに、作画における技法や構成の工夫、漫画編集者の役割や漫画家との関係など、漫画業界の舞台裏的話も魅力的で、それが事件ミステリとも絶妙に結びついていたので、やはりこの作者だからこそ書くことの出来た“漫画ミステリ”でしたね。
ミステリ作品としては、『この鳥肌ものの大興奮!!』『驚愕のミステリー長編』といった帯の煽り文から受ける印象とは違って、構成は複雑ながらもどちらかといえば正統派な読み応えでした。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力 度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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