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2012年8月13日 (月)

『カラマーゾフの妹』 高野史緒 > 「このミス」完全読破 No.566

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.566

 『カラマーゾフの妹』 高野史緒

   「このミス」2013年版 : 7位

   受賞(候補) : 「江戸川乱歩賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 3位
               「ミステリが読みたい!」 3位
               「ベストSF2012」 10位
               「本格ミステリ・ベスト10」 11位

   読始:2012.8.10 ~ 読終:2012.8.12

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2012年8月>

カラマーゾフの妹 (講談社文庫)カラマーゾフの妹 (講談社文庫)
高野 史緒

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 今年(2012年)の江戸川乱歩賞受賞作品です(受賞時のタイトルは『カラマーゾフの兄妹』)。

 江戸川乱歩賞といえば公募の新人賞ではあるものの、デビュー前の新人のみを対象としているわけではないので、すでにデビュー済みの作家が度々受賞しています。

 本作の作者も、デビューしたのは17年前の1995年という、ベテランといってもいいくらいのキャリアがあったりするのです。

 そして本作は、ドストエフスキーの最高傑作である世界的名著『カラマーゾフの兄弟』の続編という、とんでもない設定の作品でもあります。

 そのため選考会でも、あまりに完成度が候補作の中で突出していたこともあり、他の候補作との比較よりも、こういった二次創作的な作品が受賞に値するのかどうかの方に焦点が当てられていたようですね。

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 “『カラマーゾフの兄弟』の続編”の部分をもう少し説明してみますと、『カラマーゾフの兄弟』は当初の構成では13年後を描いた第二部の執筆が予定されていたものの、作者の死去により実現されませんでした。

 それを思えば、そんな世界的作家の“幻の続編”を手掛けるのはかなり恐れ多く大変なことだとわかりますし、それでもこうして受賞に至ったことからも、その評価の高さが窺えます。

 それで内容の方は、原典『カラマーゾフの兄弟』で描かれたカラマーゾフ家の父殺し事件の真相について、特別捜査官となった次男・イアンが事件から13年後に調査する、といったもの。

 これが、13年後に起きた新たな事件を絡めつつ、壮大なる原典を絶妙な伏線として、見事にこの設定が活かされた作品に仕上がっていましたし、なにより原典を意識しなくても、単体のミステリ小説としてとても面白かったですからね。

 そんな作品なので、原典を読んでいる方が本作もより楽しめるとは思いますが、作中でも原典の内容について詳しいほどに説明されていますし、選考委員の一人である東野圭吾も原典未読でありながら本作を高く評価しているので、(原典のネタバレが嫌でなければ)原典未読でも問題なく本作を楽しむことが出来るでしょう(自分も原典未読でした)。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度  : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度  : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度  : ★★       主キャラ魅力 度 : ★★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “高野史緒”関連記事 】

  > No.1110 「大天使はミモザの香り」
  > No.1039 「翼竜館の宝石商人」(後日更新予定)
  > No.0566 「カラマーゾフの妹」


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