『回廊封鎖』 佐々木譲 > 「このミス」完全読破 No.563
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.563
『回廊封鎖』 佐々木譲
「このミス」2013年版 : 103位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.8.4 ~ 読終:2012.8.5
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年8月>
回廊封鎖 (集英社文庫) 佐々木 譲 集英社 2015-10-20 売り上げランキング : 11184 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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佐々木譲の2012年2作目となる新作です。
警視庁捜査一課の久保田と望月は、最近起きた複数の謎めいた殺人事件について、いくつかの共通点を発見。
その共通点を元に、捜査本部とは別に単独で捜査を行っていくと、容疑の濃いある人物に行き当たって.....。
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というわけで、作者お得意の警察小説なのですが、ただこの刑事パートと並行するかのように、ある犯罪計画を練っている犯行グループ目線による話と、その犯罪計画の標的である裏社会の悪人側の目線による話も繰り広げられるのです。
それに、刑事パートでは、警察の組織的構造や警察官同士の軋轢・仲間意識などの警察小説的エピソードはほとんどなく、(刑事パートの)主人公である2人による捜査シーンが中心となりますし、犯行グループパートの比重も大きいので、警察小説というよりも犯罪小説としての印象の方が強いですかね。
そして物語は犯罪計画の決行に向かって進んでいくものの、そんなサスペンス的に盛り上がる場面は作中のメインというよりはラスト近くのクライマックスで訪れるため、作品の大部分は捜査シーン&犯行準備シーンとなるのです。
なので、クライマックスまでは派手な演出や驚くような展開などあまりなく、今年(2012年)に発表されたNo.522「地層捜査」と同様にじっくりと読ませる通好みの作品といった感じでしょうか。
とはいえ、それまで別々の道を辿って来た三者がついに相対して激しくぶつかり合うクライマックス場面は、佐々木譲作品ならではのド派手で熱い迫力に満ちているので、読んでいて圧倒されるものがありました。
まあ個人的には、そんなサスペンス的な魅力を期待していたので、作品の中心となるくらいにこの部分にもっと分量を割いてほしかったな~と思ってしまいましたねェ。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力 度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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