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2012年8月 6日 (月)

『二十五の瞳』 樋口毅宏 > 「このミス」完全読破 No.562

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.562

 『二十五の瞳』 樋口毅宏

   「このミス」2013年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2012.7.26 ~ 読終:2012.8.1

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2012年5月>

二十五の瞳 (文春文庫 ひ 26-1)二十五の瞳 (文春文庫 ひ 26-1)
樋口 毅宏

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 昨年(2012年版)にNo.445「民宿雪国」で「このミス」初ランクインを果たした樋口毅宏の、2012年新作です。

 その「民宿雪国」は山本周五郎賞にもノミネートし、結果落選したのですが、それを本作内で自虐的にネタにしているところなど、らしさが出ていましたね。

 そんな本作ですが、タイトルからも想像出来るように、小説や映画で有名な『二十四の瞳』の舞台である小豆島における物語となっています。

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 内容の方は、平成・昭和・大正・明治という4つの時代における小豆島にまつわる物語が、序章と終章に挟まれる形で繰り広げられる、連作形式の作品です。

 それぞれの話は舞台が同じということ以外にはほとんど繋がりがないものの、それでも『二十四の瞳』や島の伝説など関連してくる部分もありますし、テーマ的にも共通するものが感じられました。

 そして樋口作品の特徴として、著名人への実名でのオマージュや(実名は出さないとはいえ明らかにわかる形での)強烈な揶揄、歴史的有名人の作品内コラージュなど、フィクションとノンフィクションを乱暴に混ぜ返したような作風があるのですが、本作でも小豆島に所縁のある高峰秀子(映画『二十四の瞳』の主役)や尾崎放哉(俳人)を始めとした実在の人物と実在のエピソードが、作者自身の言葉でいうと“ヒップホップの方法論”で架空の物語に組み込まれているのです。

 序章と終章における全てが事実なのか物語的嘘も入っているのか判断が難しい作者自身の話もあって、いつも以上にどこまでが現実でどこまでが虚構なのか惑わされてしまいましたし、そんな読み応えに樋口作品ならではの魅力を味わうことができました。

 今回はエログロ度も控えめなので、これまでの作品よりは好き嫌いが激しく分かれるタイプではなさそうではありますが、個人的にはその部分に物足りなさがありましたし、特に第四話における東日本大震災との絡みなどで作者の主張が物語より前に出過ぎていたようにも感じられ、いまいち作品世界に入っていけませんでしたねェ。


  > 個人的評価 : ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度  : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度  : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度  : ★★       主キャラ魅力 度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “樋口毅宏”関連記事 】

  > No.619 「ルック・バック・イン・アンガー」
  > No.562 「二十五の瞳」
  > No.445 「民宿雪国」
  > No.444 「雑司ヶ谷R.I.P.」
  > No.253 「さらば雑司ヶ谷」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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