『ミステリ・オペラ 宿命城殺人事件』 山田正紀 > 「このミス」完全読破 No.561
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.561
『ミステリ・オペラ 宿命城殺人事件』 山田正紀
「このミス」2002年版 : 3位
受賞(候補) : 「日本推理作家協会賞」受賞
「本格ミステリ大賞」受賞
総合ランキング : 「1996-2005オールベスト「本格」ランキング」 26位
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 1位
「週刊文春ミステリーベスト10」 3位
読始:2012.7.13 ~ 読終:2012.7.22
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2001年4月>
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No.570「マヂック・オペラ 二・二六殺人事件」、No.575「ファイナル・オペラ」へと続く、“オペラ三部作”の1作目です。
山田正紀といえば、SF作家としての活動がメインであるのですが、それ以外にも本格ミステリや冒険小説や時代小説などなど、様々なジャンルの作品を数多く発表しています。
そして“本格ミステリ作品”の中での代表作といえば、何といっても本作でしょう。
「このミス」でも3位と高順位にランクインしただけでなく、本格ミステリ大賞&日本推理作家協会賞をダブル受賞したことからも、その評価のほどが窺い知れますからね。
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萩原桐子は、自殺を遂げた夫が遺した謎めいた遺書と共に、二つの文書を発見。
その内容は、昭和13年の満州を舞台にした連続殺人事件が描かれた奇妙な小説と手記で.....。
というわけで、現代と(戦中における満州を舞台にした)過去の話がそれぞれ繰り広げられていくのですが、どちらの話にも奇怪でド派手な謎や事件が巻き起こりますし、しかもその中身というのが、密室あり、見立てあり、消失ありと、いわゆる“探偵小説”的な要素が存分に盛り込まれたものなのですね。
それに、現代と過去の話が並行世界となって絡み合いながら進んでいきますし、現実と虚構とが混じり合い妖しく奇想に満ちた世界観が作られているので、作品全体の構造や雰囲気にもミステリ的&探偵小説的な趣向が凝らされていました。
とはいえ、読む人を惑わすような幻想性が作品を覆っていますし、誰もが納得するようなスッキリした解決がなされるタイプでもなく、何より単行本で680ページの二段組という超特大ボリュームということもあるので、人を選ぶ作品であることは確かでしょう。
しかし、SFなど様々なジャンルで活躍する作者だからこそ創り得た本格ミステリだと思うし、そのスケールの大きな圧倒感とその実態が掴めない幻想性は本作でしか味わうことが出来ないと思うので、ぜひとも一度はこの幻想ミステリの超大作に挑戦してみてはいかがでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力 度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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