『鮫島の貌 新宿鮫短編集』 大沢在昌 > 「このミス」完全読破 No.553
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.553
『鮫島の貌 新宿鮫短編集』 大沢在昌
「このミス」2013年版 : 34位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.6.29 ~ 読終:2012.7.1
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年1月>
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No.27「新宿鮫」、No.43「毒猿」、No.75「屍蘭」、No.171「無間人形」、No.262「炎蛹」、No.348「氷舞」、No.400「灰夜」、No.419「風化水脈」、No.426「狼花」、No.456「絆回廊」に続く、”新宿鮫シリーズ”の11作目です。
ただ本作はシリーズ初の短編集となっているので、“新宿鮫Ⅺ(11)”の表記は次の長編に付くのでしょう。
シリーズ短編集ということもあって、キャラクター紹介的な一面もあるので、シリーズ未読の人でも楽しむことができると思います。
ただ、本作の最初に収録の「区立花園公園」は10作目「絆回廊」を読んでいるかどうかで感じ方が全く変わるだろうし、最後に収録の「霊園の男」は9作目「狼花」の後日譚的話ということもあり9作目を読んでいないと内容が理解しにくいうえにネタバレとなってしまうので、出来ればシリーズ前10作を全て読み終えた後に、その御褒美的に読むのが良いのではないでしょうか。
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というわけで本作は、「区立花園公園」「夜風」「似た者どうし」「亡霊」「雷鳴」「幼な馴染み」「再会」「水仙」「五十階で待つ」「霊園の男」の短編10作を収録。
掲載書誌がほぼバラバラということもあり、それぞれが単独の短編なのですが、鮫島が主役であったり脇に回ったり、出演場面も出ずっぱりだったりピンポイント出演だったりと、内容的にもバリエーションに飛んでいるので読んでいて飽きることはありません。
まあ、がっつりと濃厚な読み応えが魅力な長編に比べ、短編ではページ数が少ないこともありどうしてもあっさりとした読み応えなので、長編の魅力を期待してしまうと物足りなさを感じてしまうかもしれないものの、短編ならではの切れ味やテンポの良さなど、このシリーズの新たな魅力も生み出されていたように思います。
それに、10作目の後に読むとしみじみしてしまう話に、9作目の後日譚話、それに鮫島の学生時代の様子が窺える話もあるなど、シリーズ愛読者だからこそ楽しむことのできる要素も盛り込まれているので、短編集だからといって読まずにいてはもったいないでしょうね。
そして、『エンジェル・ハート 公式ガイドブック』が初出の「似た者どうし」、『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』が初出の「幼馴染み」では、それぞれ人気漫画のキャラクターである冴羽獠(りょう)・両津勘吉と共演を果たしている異色作なのですが、それぞれのキャラが存分に活かされながらもあくまで“新宿鮫”の世界観にハマり込んでいるので、まあ小説の世界と漫画の世界との融合には賛否分かれるとは思いますが、どちらも好きなのであればかなり嬉しいプレゼント的作品となるのでは。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力 度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.0417 「やぶへび」
> No.0404 「女王陛下のアルバイト探偵(アイ)」
> No.0400 「灰夜 新宿鮫VII」
> No.0348 「氷舞 新宿鮫VI」
> No.0335 「ブラックチェンバー」
> No.0292 「欧亜純白 ユーラシアホワイト」
> No.0262 「炎蛹 新宿鮫V」
> No.0171 「無間人形 新宿鮫IV」
> No.0075 「屍蘭 新宿鮫III」
> No.0043 「毒猿 新宿鮫II」
> No.0027 「新宿鮫」
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