『千年ジュリエット』 初野晴 > 「このミス」完全読破 No.550
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.550
『千年ジュリエット』 初野晴
「このミス」2013年版 : 投票数0
受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.6.23 ~ 読終:2012.6.23
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年3月>
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No.268「退出ゲーム」、No.269「初恋ソムリエ」、No.386「空想オルガン」に続く、“ハルチカシリーズ”の4作目です。
このシリーズは高校の吹奏楽部を舞台にした学園青春ミステリなのですが、数少なかった部員が様々なエピソードを経て増えていくという流れが全体を通してありますし、吹奏楽部とその部員たちの成長ストーリーが魅力の一つでもあるので、1作目から順に読んでいくことをお薦めします。
とはいえ、本作はそんな全体的な流れ(特に吹奏楽部としての流れ)からすると番外編的な立ち位置ともいえますし、主要人物たちの過去エピソードがそれほど影響しないと思うので、本作から読んでも楽しむことはできるのではないでしょうか(ただ前作のストーリー的ネタバレにはなりますが)。
ちなみに本作は、当初は昨年(2011年)9月に発売予定だったものが11月に延期になり、それからも毎月のように角川書店のサイトに発売予定が掲載されてはそのページが削除されていくという、何度も延期が繰り返されてきた作品だったので、発売されて嬉しいというよりもホッとした気持ちの方が大きかったですね。
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というわけで本作ですが、イントロダクションの後に「エデンの谷」「失踪ヘビーロッカー」「決闘戯曲」「千年ジュリエット」の4作を収録。
今回は文化祭が舞台となっていまして、準備中や開催中にハルタ&チカの主人公コンビが関わることになる騒動が語られていく連作集となっています。
そしてこのシリーズは、“日常の謎系学園青春ミステリ”というジャンルの一般的なイメージを抱えながら読むと驚愕してしまうくらいに、本格ミステリとしてもガッツリとした読み応えがあるのですが、本作もその点での期待を裏切らないどころか、そんな高い期待を超えるほどの読み応えが。
しかもそれが見事なまでに青春物語と結びついているため、時に微笑ましく、時に感動的に、時に考えさせられるなど、青春ミステリの枠を遥かに超えた魅力を今回も楽しむことができました。
それに、日本推理作家協会賞・短編部門の候補となるなど評価の高かった「退出ゲーム」(1作目に収録の表題作)の第2弾ともいうべき、演劇部での即興劇によって謎を解く話(「決闘戯曲」)が収録されていますし、生徒会長や発明部部長兄弟、初恋研究会代表など懐かしの生徒たちも登場するので、このシリーズの愛読者ならば文句なく満足できるだろうし、シリーズ未読の方にもこの本格ミステリとしても青春物語としても上級な学園ミステリを味わってもらいたいですね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力 度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “初野晴”関連記事 】
> No.550 「千年ジュリエット」
> No.386 「空想オルガン」
> No.269 「初恋ソムリエ」
> No.268 「退出ゲーム」
> No.199 「トワイライト・ミュージアム(トワイライト博物館)」
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