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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.549
『ふたり、幸村』 山田正紀
「このミス」2013年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.6.20 ~ 読終:2012.6.22
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年5月>
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数年前から時代小説ブームが起きていて、その勢いはいまだに衰えていないようです。
その要因の一つとして、他ジャンル作家が次々と時代小説に挑戦してきていることが挙げられるでしょう。
今年に入ってからも、真保裕一のNo.552「猫背の虎 動乱始末」や逢坂剛のNo.540「平蔵の首」など、時代小説専門ではない「このミス」上位ランクイン経験作家の作品が話題になっているのですが、本作もそんな一つです。
まあ、名前を挙げた2作ほどは話題になっていないし、山田正紀もミステリ作家というよりはSF作家としての活動がメインであるものの、それゆえにどのような作品に仕上がっているのか、なおのこと興味が増しましたからね。
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タイトルに入っている“幸村”とはもちろん真田幸村のことで、説明するまでもないくらいに有名な戦国武将なのですが、その知名度に反して実は謎の多いキャラクターなのです。
“幸村”の名前が使われている存命中の史料はこれまでに発見されていなくて(“幸村”の名前が出てくるのは江戸時代以降の史料)、そもそも真田信繁がなぜ“幸村”と呼ばれるようになったのかすら明らかになっていないのですからね。
そんな謎から着想を得て、“幸村は二人いた”という解釈を導き出して作品に仕上げたのが本作です。
内容の方は、幸村の少年期・青年期・壮年期・晩年期が描かれていく一代記的なものなのですが、世の中の流れはもちろん史実通りですし、武将たちや真田十勇士などお馴染みの面々も意外なキャラクターとして登場したりもするので、二人の幸村を通して見る時代小説としての魅力はもちろん面白いほどにあります。
ただそれ以上に、戦国時代の終焉など時代の移り変わりを人智を超えた地球規模での解釈で定義付けするなど、とにかく圧倒されるほどのスケールの大きさが最大の魅力なのですよね。
かなり幻想的な表現も多いため、正統派時代小説好きな人には受けが悪そうではありますが、SF作家ならではの奇想や演出が効果的に時代小説と結びついているので、好きな人ならば時代小説としても時代小説の枠を超えた小説としても大いに楽しむことが出来るに違いありません。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力 度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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