『ミスター・グッド・ドクターをさがして』 東山彰良 > 「このミス」完全読破 No.545
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.545
『ミスター・グッド・ドクターをさがして』 東山彰良
「このミス」2013年版 : 85位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.6.2 ~ 読終:2012.6.7
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年1月>
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No.176「ジョニー・ザ・ラビット」で“「このミス」大賞”出身作家初の「このミス」ランクインを果たした東山彰良の、2012年最初の新作です。
東山彰良といえば、これまでは硬派なクライムノベル的な作品を発表してきたわけですが、本作は医療ミステリということで、題材に大きな変化が見られました。
ただ実際に読んでみれば、まあ予想通りといいますか、普通の医療ミステリには仕上がっていませんでしたね。
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主人公は、医師の転職を斡旋する医師転職サポートセンターに務める国本いずみ。
なので、医療業界を舞台にして内幕や職業的蘊蓄も絡めた医療ミステリなのかと思いきや、主人公の心情語りが作品の多くを占める連作的作品なのです。
その心情というのが、アラサー独身女性の男女観(男って.....、女って.....)が中心なので、ミステリやエンタメというよりは文芸書に近い読み応えがあります。
そんな“女性からの男性観”が連ねられている作品なので、男性受けは悪そうですが、それを書いているのが男性作家ということもあり、女性受けも悪そうという、誰の得にもならなそうな設定というか作風なのですね。
ただ、ミステリ要素はあまりないけれど、主人公の行動というのがハードボイルド的な刺激やカッコ良さがありますし、それを考えると男女観に悩んでいる所もハードボイルド的といえるのかも。
というわけで、その読みやすさに反して人を選ぶ作品であるし、過去の東山作品が好きな人にも賛否あると思うのですが、医療サスペンスとしてもアラフォー女性物語としても東山彰良にしか書くことのできない魅力があるので、この作品を好きになる人は少数派かもしれないけれど、(自分も含めて)好きな人なら何とも言えない愛着が湧くような作品となるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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