『震える牛』 相場英雄 > 「このミス」完全読破 No.543
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.543
『震える牛』 相場英雄
「このミス」2013年版 : 50位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.6.1 ~ 読終:2012.6.1
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年2月>
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作者の相場英雄は、元・時事通信社経済部記者という経歴もあってか、ダイヤモンド経済小説大賞を受賞し作家デビューを果たした後も、主に経済サスペンス作品を発表し、経済ジャーナリストとしての活動も行っています。
そして本作で初のミステリに挑戦となったのですが、いきなりの大ヒットとなっているようなのですよね。
それは、「平成版『砂の器』誕生!」「2012年ミステリーベスト1早くも決定!」というド派手な帯の煽り文や、裏帯での書店員の絶賛&驚愕コメントが大きく影響したのだと思いますが、果たしてこの煽りが誇張なのか妥当なのか、といった部分も楽しみに読んでみました。
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主人公は、迷宮入り濃厚な目立たない未解決事件を担当する捜査一課継続捜査班の刑事。
未解決となっている二年前に起きた居酒屋強盗殺人事件を独自の視点で再調査したところ、当時の捜査では見逃していた犯人の手掛りを次々と見つけていき、この事件の裏に潜む事実が次第に明らかになってきて.....。
というわけで捜査ミステリ(サスペンス)なのですが、事件の背景には食品業界の内幕や地方郊外型モールの弊害などの社会的問題点が関わっていき、そこが本作の大きなテーマとなってくるため、社会派ミステリ(サスペンス)としての印象の方が強めな感じ。
そしてそんな社会派な部分が、具体的な会社名が想像出来る書き方であるにも関わらず、遠慮なくその内情を暴露していて、しかもその内容というのが(実情を知らなかった自分には)読んでいてかなり衝撃的なものだったので、どこまでリアルでどこからが作り物なのか分からない分、問題提起的な迫力がハンパなかったです。
ただ、個人的にはミステリやエンタメ部分にぎこちなさを感じてしまったので、そういった物語的な要素を入れるよりもノンフィクションに近い形だった方がより面白くなったのではないかな~とも思いましたが、それでも事件解決に向けた最終局面での緊張感や最後に炸裂する仕掛けなど、クライマックスに近づくにつれてミステリエンタメ部分も活き活きしてきて楽しめましたけどね。
まあ、帯の煽り文句の影響もあって賛否両論激しい評判となっているようですが、あまりそういった前評判に振り回されることなく読むのが一番でしょう。
小学館による作品紹介動画(著者インタビュー)
> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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